【ポルトガル2024】リスボン街歩き:展望台、教会、美術館、食など感想
リスボンで展望台や教会、美術館など巡りつつ、カフェやフードコートで過ごした記録。
各観光スポットの基本情報や感想、現地でのエピソードなどを書いています。
平和でのんびりした雰囲気が最高のリスボン、機会があればまた行きたい。
※2024年11月時点の情報になります
ジェロニモス修道院
大航海時代のポルトガルの繁栄を象徴するジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)。
基本情報
- ベレン地区にある壮麗な建造物
- サンタ・マリア教会はチケットなしで入れるが、巨大な回廊のある修道院部分はチケットが必要
- 発見のモニュメント、ベレンの塔など徒歩圏内
感想
細かな彫刻やアズレージョなどの芸術要素のほか、ヴァスコ・ダ・ガマやポルトガルを代表する詩人カモンイスの棺があり、歴史的価値も高い場所。
特にマヌエル様式の回廊が圧巻で、中庭を囲む柱やアーチの繊細な装飾は見ていて飽きない。
リスボン最大の見所のひとつだけあって人が多いものの、11月の3時に行ったからかチケット売り場の混雑はそこまででもなく、数分並ぶだけで買えた。
むしろリスボンで一番有名なパステル・デ・ナタのお店、Pastéis de Belémのほうが行列が長かった気がする。
セニョーラ・ド・モンテ展望台
セニョーラ・ド・モンテ展望台(Miradouro de Nossa Senhora do Monte)は、リスボンで一番眺めがいいと評判の展望スポット。
基本情報
- メトロ緑線Intendente駅から徒歩(ただし坂のオンパレード)
- マルティン・モニス広場から28番のトラムでRua da Grasaへ行くルートもあり
- グラサ展望台、サン・ジョルジェ城、サン・ヴィンセンテ・デ・フォーラ教会、サンタ・エングラシア教会など徒歩圏内
感想
メトロ緑線Intendente駅から、Googleマップを見ながら徒歩で向かったら…
坂、坂、坂、階段、階段!
次から次へと現れる上り坂と階段で息が切れる。
朝から修行のような道のりだったけど、展望台に着いた瞬間、その苦労は報われた。そう思うようにしている。
眼下に広がるリスボンの街。遠くに見えるサン・ジョルジェ城とテージョ川。
景色を隔てるものがない展望台は爽快で、リスボンが手のひらの上にあるような陶酔に浸ってきた。
なお、上り坂もきついけど下り坂もきついので注意。
サン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会
リスボンの守護聖人に捧げられた、サン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会(Igreja de São Vicente de Fora)。
基本情報
- アルファマ地区にあり、ふたつの鐘楼が目印
- 入場料8ユーロを払うと礼拝堂、修道院、屋上まですべて見ることができる
- 屋上は展望スペース
感想
回廊や階段など至るところにアズレージョがあしらわれて華やか。
豪華な礼拝堂、王家の霊廟なども見応えがあり、屋上からは360度リスボンの景色を眺められてなかなかよかった。
人が少ないのに見学できるものが多いという点で、個人的にはジェロニモス修道院より好きかも。
ラファエル・ボルダロ・ピニェイロ美術館
ラファエル・ボルダロ・ピニェイロ美術館(Museu Rafael Bordalo Pinheiro)は、ポルトガルの芸術と文化に大きな影響を与えた19世紀の芸術家、ボルダロ・ピニェイロの作品を集めたミュージアム。
基本情報
- Campo Grande駅から徒歩数分
- 入場料3ユーロ(安い)
- 展示は2棟に分かれている
- 受付のある建物:イラスト、風刺画、食器など
- 向かいの建物:陶器、タイル、インテリアなど
感想
幅広いジャンルで活躍した芸術家だけあり、展示を通してその多才さに圧倒された。
動物、植物、食材が精巧に再現された陶器も見事だけど、風刺画も印象的。
19世紀のポルトガル労働者を象徴するキャラクター、ゼ・ポヴィーニョが登場する風刺画には、当時のポルトガル庶民の生活や社会問題が描かれていて勉強にもなる。
ユーモアと批判が融合した作品の面白さを理解できた(気になっている)のは、受付で貸してもらった英語の冊子のおかげ。
受付側の展示にはポルトガル語の説明しかないため、訪問の際は「English guideありますか?」と聞いてみるのを推奨。
(私の場合は、入場料を払ったときに受付の人が「解説がポルトガル語だけだから」と言って渡してくれた)
訪問のきっかけ
まったく知らなかったのですが、ボルダロ・ピニェイロは「ボルダロ」という老舗食器ブランドの創設者なのですね。
それなのになぜラファエル・ボルダロ・ピニェイロ美術館に行ったのかというと、まずCampo Grande駅から近いのでオビドスの帰りに寄れると思ったのがきっかけ。
じゃあこのボルダロ・ピニェイロとは何者なのかと調べていたとき、「この記事は詳しそうだな」と開いたサイトが友人のブログだった。
ブランド洋食器を取り扱うステキなサイトなので、食器がお好きな方はぜひ。
西洋アンティークの器にも描かれてきたぶどう柄🍇をモミの木グリーンで表現したお皿、クリスマスに毎年大人気♪ これ1枚でクリスマス感がアップするし、肉料理やケーキも映えて重宝します!ぶどう柄は西洋で豊穣と繁栄のシンボル。使う度、幸せ運んでくれる皿。ポルトガルのボルダロピニェイロ窯製。 pic.twitter.com/SkBUvZ9WvE
— ウーバンアビー (@woburnabbey_) November 15, 2024
「これは行くしかない」とめぐり合わせに震え感謝しながら、ボルダロ・ピニェイロを満喫してきた。
(ちなみに食器の展示はほぼなかった)
グルベンキアン美術館
グルベンキアン美術館(Museu Calouste Gulbenkian)は、アルメニア人の石油王カルースト・グルベンキアンが収集した世界各国からの美術品6,000点ほどを所蔵するミュージアム。
古代から近代に至るまでのあらゆる芸術を鑑賞できる。
基本情報
- メトロのPraça de Espanha駅またはSão Sebastião駅から徒歩圏内
- メインの美術館(Gulbenkian Museum)、特別展、別館の現代美術館(CAM Collection)などいくつか展示場がある
- 全館入場できるチケットが16ユーロ
- 所要時間はメインの美術館だけでも駆け足で1時間、じっくり見るなら3時間くらいほしい
感想
チケットに含まれていたのに、時間がなくて現代美術館に行けなかったのはさておき。
グルベンキアン美術館はエジプト、ギリシャ、ローマ、イスラム、ヨーロッパ、中国、日本まで幅広い地域と時代の美術品があり、まるで世界の芸術の縮図を歩いているようだった。
ヨーロッパ絵画エリアにはルーベンス、レンブラント、モネ、ターナーといった巨匠の作品が並び、これがすべて個人のコレクションというのに驚く。
グルベンキアン財団は美術館のほかに、オーケストラやバレエ団なども所有しているのだとか。
規模が大きく見応えがある一方で、どの美術館がどこにあるのか分かりにくいのが難点。
もし時間が限られている場合は、メインのグルベンキアン美術館に集中するのがよさそう。
ロッカーでの出来事
チケット確認と一緒に手荷物チェックがあり、食べ物や飲み物がカバンに入っている場合はクロークかロッカーに預けるよう言われる。
ロッカーは1ユーロコインが必要で、使用後は返金される。
帰り際にロッカーから荷物を出していたら、ポルトガル人にポルトガル語でロッカーの使い方を聞かれたっぽかったので「1ユーロ入れると鍵をロックできて、使い終わったらコイン返ってくるよ」と英語で説明した。
観光客のアジア人に道や設備の使い方を尋ねるのは、ヨーロッパあるある!
コロンボショッピングセンター
コロンボショッピングセンター(Centro Colombo)は、イベリア半島最大のショッピングモール。
基本情報
- メトロ青線Colégio Militar/Luz駅に直結
- 巨大スーパーContinente(コンチネンテ)あり
- フードコート、レストラン、カフェが充実
- ファッション、雑貨、家電、娯楽施設などお店がたくさん
- 営業時間が朝8時から深夜24時と長い
感想
観光地ではなく、地元の人々が日常的に利用する場所なのが魅力的。
オビドスのおしゃれな土産物店より現地のスーパーマーケットに興奮するタイプの私は、このコロンボショッピングセンターに2日連続で通ってお土産を買い集めた。
フードコートではタコベルのタコスを食べる。
ポルトガル関係ない!
でも、ローカルな場所で現地の人々と同じように外国チェーン店のファーストフードを味わうのも、旅行ならではの体験だと私は思うのだよ。
コロンボショッピングセンターには観光客がほとんどおらず、メニュー表記などはほぼすべてポルトガル語。
英語ができる店員さんもいれば、英語まったく話せない店員さんもいるけど、親切に対応してくれる人が多かった。
スーパーのレジの店員さんが「Have a nice trip」とまばゆい笑顔で言ってくれたり、カフェの店員さんがコーヒーに入れるミルクをひとつずつ指さして確認してくれたり(パッケージにoat milkって書いてあるのに、何度oat milkと言っても通じなかった)。
なんだこの温かみのあるポルトガルの接客は。惚れてまうやろ。
ショッピングモールでの出来事
なんでか知らないけど、若い女性に「私、ポルトガルの地方から初めてここに来て、広すぎてメトロがどっちだか分からないんだけど分かる?」と流暢な英語で聞かれた。
一瞬怪しい人かと思ったけど、英語が話せるか以外になにか聞かれたわけではないので、「たぶんあっちだよ」と道案内した。こっちもここに来たの2回目なんだが…。
総じてポルトガルは分け隔てがなく人に接するイメージ。
タイムアウトマーケット
タイムアウトマーケット(Time out market)は、食文化の発信拠点としてグローバル展開する大規模フードマーケット。
基本情報
- レストランのような食事からお酒のつまみ、カフェまで幅広い飲食が楽しめる
- 現金決済不可
- 2025年にはタイムアウトマーケット大阪がオープン予定
感想
観光客でにぎわっていて、空いている席を探すのが大変。
訪れた時間帯が3時すぎだったので、Manteigariaのパステル・デ・ナタをいただく。
パステル・デ・ナタで有名なのはベレン地区のPastéis de Belémだけど、個人的にはManteigariaのほうがバターの風味とほどよい甘さがあり好みだった。
Uma Marisqueira II(レストラン)
リスボンに複数店舗あるUmaのコメルシオ通りにあるお店に行ってきた。
海鮮リゾット(Arroz de marisco)が、海鮮ゴロゴロ風味豊かで満足度が高い。
前菜を頼んでみたら、大盛りのオリーブと生ハムとチーズとタコサラダが現れた。
生ハムはとても好きなのだが、複数人で分けるにしても塩分とりすぎな量。うまみと罪悪感で複雑な気持ちだった。
このチーズ、すごく気に入ったんだけど名前が分からない。写真にほとんど写ってないのが致命的すぎる。
周りは固くて、中はカマンベールよりはしっかりしているけど食感が滑らかでクセがあまりない。
エヴォラチーズかニーザチーズかと推測しているものの、真相は不明。
THE COFFEE ザ・コーヒー(カフェ)
アルファマ地区を歩いていたら、突如「ザ・コーヒー」という日本語が現れて吸い込まれるように立ち寄ったカフェ。
リスボンでは珍しくアイスコーヒーや抹茶ラテがメニューにある。
価格はスタバ級で一般的なカフェの2倍くらい高いものの、ヨーロッパでおいしいアイスコーヒーが飲めるのは貴重なので、値段相応と言えなくはない。悪いのは円安。
2024年11月は1ユーロ166円。2011年にポルトガル行ったときは1ユーロ120円くらいだった。
店員さんに「なんで店の名前が日本語で書いてあるの?」と聞いたら、「ブラジル出身の経営者が日本文化に感銘を受けた」「経営者のフィアンセが日本人で」といったことを教えてくれた。
あとで調べてみると、「ザ・コーヒー」はリスボンに何店舗かあり、さらにヨーロッパ、中東、東南アジア、南米などにも進出しているようだった。
コーヒーおいしかったので、日本にも出店してほしい。
公式サイト:The Coffee
参考:日本を愛する兄弟のカフェチェーンは日本イメージで急成長 サンパウロから - 全日本コーヒー協会
その他のあれこれ
リスボン旅行中に感じたことや、役立つ(かもしれない)情報をいくつか紹介。
▼ 移動関係
- 入場料が必要な観光地を1日で集中攻略する場合はリスボンカードが便利
- 私は今回そうではなかったので、都度入場券を買ってNaveganteをチャージしながら移動した
- メトロはタッチレス決済対応のクレジットカードでも乗れるが、現時点でバスや電車は非対応。結局Naveganteが最強
▼ 街の印象
- 観光エリアは比較的清潔で、ゴミが少ない印象
- 駅などではエスカレーターが止まっていることがあり、ただの階段になっている場合がしばしば
- 歩きタバコが多い(ポルトガルに限った話ではないけど)
- 階段と石畳が多いので、服装は歩きやすい靴を最優先で
ポルトガルはいいところでした。
旅行先に迷っている方や、ひとりでも安全に歩き回れる場所に行きたい方におすすめです。
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