【ポルトガル2024】リスボン発シントラ日帰り観光:スケジュール、行き方、チケット、現地体験談
シントラは、リスボンから日帰りで訪れることができるポルトガル屈指の観光地。
世界遺産に登録されたこの町には、ペーナ宮殿、ムーアの城跡、レガレイラ宮殿など数多くの名所があり、バスを利用すればユーラシア大陸最西端のロカ岬にも足を伸ばせます。
シントラを効率よく観光するためには、事前準備が大切。
本記事では、私が公共交通機関のみでシントラとロカ岬をまわったときの日帰りスケジュール、チケットやバスの詳細、実際に訪れて感じたことをまとめました。
日帰りスケジュール
時間指定での入場になるペーナ宮殿とレガレイラ宮殿は、事前チケット購入が必須といえる。
以下に、09:30のペーナ宮殿、14:00のレガレイラ宮殿を予約した場合のシントラ日帰り観光スケジュールを紹介。
時間はあくまで目安です。バスの待ち時間や混雑具合でスケジュールは前後します。
09:00 シントラ駅到着
- 9時前に電車でシントラ駅に到着
- シントラ駅から434のバスでペーナ宮殿へ
09:30~11:00 ペーナ宮殿
- 434のバスをThe Pena Palace(Palácio da Pena)で降りる
- バス停すぐそばの入口でチケットを提示する(公園のチケット確認)
- 徒歩15分ほど坂道を上り、宮殿入口へ
- 予約枠の列に並び、チケットを提示する(宮殿のチケット確認)
11:30~12:30 ムーアの城跡
- ペーナ宮殿からムーアの城跡へは徒歩で移動。バスは一方通行なので乗らない(バスの停車順がムーアの城跡 → ペーナ宮殿なので)
- チケットは入口から小道をしばらく進んだところで見せる
- 見学後、バス停へ。バス停はムーアの城跡から車の進行方向とは逆に少し歩いたところ
13:00~13:45 シントラ市街地で昼食
- ムーアの城跡から434のバスでシントラ・ヴィラ(市街地)へ
- 市街地にはたくさんレストランやカフェがある
- 大通り沿いは混んでいるが、少し中に入ればそこまで混んでいないはず
- 混んでいるレストランなどは食事の提供に時間がかかるかも
14:00~15:30 レガレイラ宮殿
- シントラ市街地から435のバスまたは徒歩10分。少し上り坂あり
- 観光の所要時間の目安は1時間半だけど、有名なイニシエーションの井戸の行列次第ではもっと時間がかかるかも
- 広大な庭も見どころが多いので、ゆっくり探索したい場合は3時間くらいほしい
- 宮殿の出口そばにあるバス停からロカ岬行きのバスに乗れる
16時半くらい ロカ岬
- 1253のバスでロカ岬へ。40分くらい。1253はシントラ駅からも乗れる
- 乗客が多すぎるとレガレイラ宮殿で止まってくれない可能性がある?(理由不明だけど1台飛ばされ、次のバスを待った)
- ロカ岬には有料トイレあり。隣のインフォメーションで両替可能
- 見学後はバスでシントラに戻るか、バスでカスカイスに向かう
⇒ 日が長い夏場はリゾート地のカスカイスがいいと思う。カスカイスからでもリスボンには電車で帰れる
シントラのバスについて
循環バス:434と435
日帰りシントラ観光を公共交通機関で攻略するなら、434番のバスは外せない。
435番は必要に応じてといったところ。
- Scotturb社が運営する循環バス
- 434:シントラ駅、市街地、ムーアの城跡、ペーナ宮殿などに停車。朝9時から5分おきに運行
- 435:シントラ駅、市街地、レガレイラ宮殿、モンセラーテ宮殿などに停車。朝10時から30分おきに運行
- 料金は1日券13.5ユーロ、1回券4.55ユーロ
- 乗車時に現金かカードで払う。1日券は支払時に受け取るレシートがチケットになる
リスボンからシントラまでの電車が2.4ユーロなのに、434と435は1回券で4.55ユーロというとんでもない価格設定で、海外の旅行サイトの書き込みでも評判が悪い。
とはいえ駅からペーナ宮殿まで徒歩はなかなかの距離だし、1日中歩き回ることを考えると体力温存のためバスに乗りたい。
バスに3回乗るorめんどくさいのは嫌だという場合は1日券が選択肢に入る。
一応、シントラ駅 → ペーナ宮殿、ムーアの城跡 → 市街地、市街地 → レガレイラ宮殿で3回乗ることは可能。
ただレガレイラ宮殿は市街地から歩いて10分ほどなのと、435のバスが都合よく来るとは限らないので、実際に3回乗れるかは微妙なところ。
1日券を買ったものの2回しか乗らなかった私からは以上です。
ロカ岬からのバス:1253と1624
ロカ岬からシントラやカスカイスへ向かう、1253番と1624番のバスについて。
- Carris Metropolitana社が運営
- 1253:シントラ ↔ ロカ岬
- 1624:ポルテラ・デ・シントラ~ロカ岬~カスカイス
- 料金は片道2.6ユーロ(だったと思う)
- 乗車時に現金かNaveganteで払う。カード不可
ロカ岬からバスに乗るときは、バスの番号よりも行き先に注意。
同じ1624でもPortela Sintra行きとCascais行きがあるため、乗るバスを間違えないように。
Portela Sintraはシントラの隣駅ポルテラ・デ・シントラ(Portela de Sintra)のこと。ロシオ駅やオリエンテ駅行きの電車が通るので、Portela Sintra行きのバスに乗ってもリスボンには戻れる。
行き先が不安だったらバスの運転手に確認。「カスカイス?」「シントラ?」と聞くだけでも答えてくれる。
ちなみに、シントラかポルテラ・デ・シントラから電車に乗ってReboleiraで途中下車し、メトロ青線に乗り換えてColégio Militar/Luzで降りるとコロンボショッピングセンター(Colombo Shopping Centre / Centro Colombo)に行ける。
日の長い夏だったらカスカイスに寄りたかったけど、私が行った11月は5時半には暗くなったので、Portela Sintra行きのバスに乗ってコロンボショッピングセンターに向かいました。
巨大なショッピングセンターでお土産探しにもおすすめ。
シントラのバスで思ったこと
以下はシントラのバス全般で思ったこと。
- お釣りはもらえる
⇒ ポルトガルのバスはイギリスと違って現金払いでもきちんとお釣りが出る - 時刻表が当てにならない
⇒ バスの時刻表は目安程度。なるべく時間と心に余裕を持つ - 運転が荒い
⇒ カーブ時の揺れは強烈で、立ち乗りだとしっかりつかまっていないと危険。酔いやすい方は酔い止めを準備したほうがいいかも
ペーナ宮殿の観光
丘の上に建てられたペーナ宮殿は、カラフルな外観と様々な建築様式が融合したユニークなデザインが特徴。
19世紀にポルトガル王フェルディナンド2世が夏の離宮として修道院を改築したもので、豪華な内装も見どころ。
チケットのインターネット購入について
ペーナ宮殿は時間指定制、そして混雑が予想されるため、日程が限られている場合はチケット事前予約が必須。
ペーナ宮殿とムーアの城跡のチケットは同じサイトから購入可能で、現地で買うより数ユーロ割引になる。
チケット購入サイト:Ticket - Parques de Sintra
チケットは印刷またはスマホ画面の提示でOK。
入場料は値上がり傾向のようで、すでに2024~25版『地球の歩き方』に記載の金額より高くなっている。
リスボンからペーナ宮殿への行き方
電車で行く場合、リスボンからシントラ駅まで40~50分。
Google mapで宿泊地からシントラ駅(Sintra)までのルートを調べ、どの駅の何時の電車に乗るか確認しておく。
ポルトガル鉄道:CP - Comboios de Portugal
鉄道チケットは駅の券売機で買えるが、チャージ式のICカードNaveganteなら電車でもロカ岬行きのバスでも利用可能。
事前に13ユーロほどチャージしておくのがよさそう(電車ぶんしかチャージしておらず、バスは現金で払った)。
朝9時くらいにシントラ駅に着くと、434のバスがシントラ駅を出てすぐの道路に待機しているので、運転手に料金を払ってペーナ宮殿まで乗る。
2~3人以上で行く場合は、費用・効率の面でUberかBoltでタクシーを呼んで直接ペーナ宮殿に行くのも一案。
ペーナ宮殿の様子と感想
ペーナ宮殿でバスを降り、入り口で最初のチケット確認。
その後、上り坂を10~15分ほど歩くと宮殿に着き、予約時間枠の列に並んで宮殿のチケット確認。
私は09:30の予約で到着が少し遅れたけど、09:30枠の行列ができていてそこにしばらく並んだので、数分の遅れなら大丈夫そうな気配。
11月でもかなりの行列だったので、夏のバカンスシーズンはいったいどうなるんだろう。
宮殿は人人人で、自分のペースで見て回ることはほぼ不可能。
私は2011年にもペーナ宮殿を訪れている。
そのときはその場でチケットを買って、のんびり好きなペースで観光できた気がするんだけどな…と思って過去の写真を見返す。
2011年撮影 |
スカスカ!
なお、2024年の様子がこちら。
観光客激増。
シントラの各観光スポットにはタクシーやトゥクトゥクの客引きがいるけど、前はそんなのいなかったような。
ムーアの城跡のほうが人が少なくて楽しいかも。
ムーアの城跡の観光
ムーアの城跡は8〜9世紀頃にイスラム教徒ムーア人に築かれた丘陵地帯の城塞。
歴史的な意義に加え、城壁を歩きながらシントラの町並みや遠くの景色を眺められる絶景スポットとしての人気がある。
高所からはペーナ宮殿やレガレイラ宮殿も見える。
チケットはペーナ宮殿と同じサイトで事前購入が可能。
城跡は階段に次ぐ階段で体力勝負な観光地。運動不足のアラフォーの足は悲鳴を上げていた。
狭い石造りの階段が多いため、天候が悪い日に行くと危ないかもしれない。
チケット提示場所の近くにはトイレとカフェスペースがある。
レガレイラ宮殿の観光
ゴシック、ルネサンス、マヌエル様式が混ざり合うレガレイラ宮殿は、地下迷路、秘密のトンネル、広大な庭園など見どころが満載。
チケットのインターネット購入について
レガレイラ宮殿は時間指定制で、券売機の混雑を避けるため事前予約がおすすめ。
ただし、ネット購入には手数料がかかり、現地購入より約1ユーロ高くなる。
上記ページから「regaleira.byblueticket.pt」に移動し、QUINTA DA REGALEIRA - NON GUIDED VISITを選んで訪問日と時間帯を決める。
購入画面で名前など記入するページにあるINVOICE DETAILSは空欄で大丈夫。
チケットは印刷またはスマホ画面の提示でOK。
レガレイラ宮殿の様子と感想
「ドラクエみたい」と評判のレガレイラ宮殿。
どういうわけか私は2011年のシントラ訪問時に見逃したため、今回のリスボン旅行でもっとも楽しみにしていたのがレガレイラ宮殿だった。
14:00の予約に5分遅れて到着したけど、チケットを見せて問題なく入場。
真っ先に向かったのは有名なイニシエーションウェル。
らせん階段を降りると、井戸の底から空を見上げる貴重な体験ができる。ゲーマーにはたまらない。
ここは券売機をしのぐ行列ができる人気スポットで、チケット確認場所から標識を見ながら坂を上るとたどり着ける。
11月でこの行列。夏はもっと並ぶのかも。
井戸を下りると洞窟につながり、庭園に出ることができる。
庭園には不思議な構造物が点在し、写真映えする撮影スポットもたくさんありそう。
軽く庭園を散策したあと、宮殿を見学し、カフェで休憩。滞在は1時間半だったけど、じっくり探索するなら3時間ほど確保したいと思った。
ロカ岬で事故か
ユーラシア大陸の最西端にあるロカ岬。
壮大な大西洋の景色を目にし、大地の最果てに立つ感動を味わえる。
なお、ロカ岬にあるのは有名なモニュメントと観光案内所くらいで、やることはそんなにない。
崖には柵があり、ポルトガル語で警告のようなメッセージが書かれているけど、そんなのお構いなしに柵を越えて写真を撮っている観光客が少なからずいる。
以下は私のロカ岬での体験談。
トイレから出ると、外の様子がおかしいことに気づく。
けたたましいサイレンの音が響き、救急車両が数台到着。あれよあれよという間にモニュメント周辺が閉鎖された。
救助隊らしき人々が10人ほど崖下と思われる方向に走っていった。
………。
もしかして、誰か落ちた?
肝心な場面を見ていないのと、周りの観光客はザワザワしていなかったので、実際はなにが起きたか分からない。
とある場所に人がたまっていて、指をさしたりスマホを向けたりしているのは気になった。あそこからなにか見えるんだろうか。気になるけど柵の外の崖っぷちには行きたくない。
そもそもなにも起きていなければ救助隊なんて来ないわけで。
誰がいつ転落してもおかしくない場所なのは間違いないので、命が惜しければ柵を越えないほうがよさそう。
観光スポットの英語・ポルトガル語名
覚えておくとなにかと役に立つ、シントラ関連の英語名とポルトガル語表記。
- シントラ:Sintra
- ペーナ宮殿:The Pena Palace / Palácio da Pena
- ムーアの城跡:The Moorish Castle / Castelo dos Mouros
- レガレイラ宮殿:Quinta da Regaleira / Palácio e Quinta da Regaleira
- ロカ岬:Cape Roca / Cabo da Roca
- カスカイス:Cascais(発音:カシュカイスまたはカスカイシュ)
関係ない話ですが、「シントラ」と聞いてウィッチャーを思い浮かべた方がいるかもしれません。あっちは「Cintra」なのでスペルが違うんですよね。
おわりに
シントラは見どころが多いけど、行きたい場所を絞って予定を組めば公共交通機関でも回ることができた。
私が行ったのは11月なので、夏のバカンスシーズンやイースターの時期はもっと余裕があるほうがいいのかも。
時間的にも体力的にもシントラ日帰りはある程度の割り切りが必要なので、もし可能ならシントラに1泊してゆっくり観光するのがおすすめです。
<参考にしたもの>
日帰りシントラ&Cascais観光とおすすめ完全攻略Guidebook - note
↑スケジュールの組み方やシントラおすすめレストランなど参考になる情報が豊富
2023/07 ポルトガル旅行記(リスボン、シントラ、ロカ岬) - note
↑ロカ岬行きのバスは右側に座ると景色がよいなど、臨場感あふれる情報がありがたい
【ポルトガル旅行】リスボンの公共交通機関の乗り方 - Find Moeko!
↑Naveganteの買い方がとても詳しく分かりやすい
関連記事