【FF16】あの塔に入れる日が来た。空の文明に接するDLC「空の残響」感想
『ファイナルファンタジーXVI』のDLC第1弾「Echoes of the Fallen《空の残響》」の感想です。
「空の残響」の全体的なことや難易度、クリア後に思ったこと、今回のアップデートで追加されたインナーボイスについて書いています。
途中からネタバレあり。
よくも悪くもFF16。全体的な感想
今回のDLCは、本編より強い敵を倒して本編より強い装備を手に入れることができるバトル中心のもの。
よくも悪くも「いつもどおりのFF16」です。
塔に入るまでの導入部分は人を追いかけるだけ。塔に入ってからは敵を倒して進んで敵を倒して進んでちょっと強い敵を倒して進んでというよく見た構成。
またこういうやつね、と思った一方で、空の文明の脅威を存分に体験できたり、空の文明を通じてクライヴが神に挑むことの意義を考えたりと、ストーリーの理解を深める要素があってよかったです。
思うところはありつつも、FF16は好きなので、この世界に戻って新しい冒険ができるだけでうれしい。
本編で初めて見たときからずっと気になっていた場所に行けたし。
この塔、いつ行けるんだろうと楽しみにしていたのに、本編で訪れる機会がなくて勝手にヴァリスゼア三大がっかりスポットと呼んでいました。別のがっかりスポットは次のDLCで行けそうで安心。
DLC以外のことでは、今回のアップデートで追加されたインナーボイスがとんでもない量で面食らいました。
じっくり見ていくと2時間は軽く越えます。
トルガルの心の声が人間の言葉で聞ける日が来るなんて誰が想像した?
トロフィーやゲームの難易度のこと
「空の残響」のトロフィーは、DLCを進めていくうちに解除できるものがほとんど。
以下を意識していればトロコンできます。
- ファイナルファンタジーチャレンジで進める
- ダンジョン内の宝箱を必ず取る
- ダンジョンから戻ったら鍛冶屋で武器をつくる
敵の強さも本編の延長という感じで、過度に難易度が上がることはありません。
敵のレベルは90を越えていますが、スピーディーに華麗な勝利を収めることを目指さなければレベル上げも武器の強化もいらないはず。少なくとも装備はすぐにいいものが手に入ります。
私のDLCスタート時の状態はLv77、武器はディフェンダー+3、約5か月ぶりのプレイでシヴァスナップのやり方さえ忘却の彼方でしたが、トロコンできました。
バベルの塔のような空の文明
これより先、「空の残響」クリア後の雑多な感想。ネタバレあり。
賢者の塔は空の文明の魔導技術の粋が集まっている場所で、空の文明の強大さを象徴するような存在。
魔導技術の発展で力を得た空の文明は、討神召喚獣をつくり、神と対等以上になることを求めて神に戦いを挑み滅んだ。
ゼメキスの悲劇は神話とされているけど、その真相は空の文明の人々が神の領域とされていたゼメキスの地に攻め込み、アルテマによってマザークリスタルごと周囲を消滅させられたというもの。
土塊である人間が自我を持つことすら認められないアルテマにとって、空の文明の民の行いはさぞ傲慢かつ脅威と映ったことでしょう。
(もとはといえばアルテマが寝ていたから人が導きを失って神ではなく自分らで何とかしようってとこから始まった気がするんだけど)
もろもろの要素が旧約聖書のバベルの塔を想起させる。
バベルの塔は、言語がひとつしか存在しなかった時代に、人間が最先端の材料と技術で天まで届く塔を建てようとして、その傲慢さに神が怒って言語をバラバラにして塔の建設を中断させたという話。
空の文明が滅んだあと、誰も空の文明の遺跡に入れなかったことで人々の技術が発展しなかったと考えると、空の文明の技術が後世に引き継がれていたらヴァリスゼアの歴史はまったく違うものになっていたんだろうなと思う。
それこそ神を脅かすような技術革新をして、人間はとっくにアルテマに滅ぼされていた可能性が。
空の文明が謎に包まれていたことは必然だったのかもしれんね。
神に挑もうとしているのは同じだが
オメガを倒したクライヴは、隠れ家に戻って問いかける。
空の文明は神を真似て力を求め、オメガをつくり神に戦いを挑んだ。俺たちも神に戦いを挑もうとしている。自分たちも空の文明の民と同じでは? と。
神に挑む。神への依存から脱したい。その点で考えると、空の文明もクライヴたちも目的は同じかもしれない。
もし空の文明の民が神に勝利していたら、彼らはその圧倒的な力を利用してほかの人間を支配する道に進んだのではないかと思う。人造マザークリスタルをつくっていたあたり、そんな気配がする。
対して、クライヴたちはクリスタルを壊そうとしている。そしてクライヴは神になりたいわけじゃなくて、人であるために戦おうとしている。
シドから受け継いだ、人が人として生きる世界をつくるという大義があるから。
ジョシュアやジルが、クライヴは正しく力を使うと信じているから。
討神召喚獣オメガに襲われたというのは、クライヴが神に並ぶ存在だと認識されたことに等しい。
でもクライヴは慢心することなく、最後まで人の未来のために力を使った。
今回のDLCで空の文明を体験することで、クライヴが最終決戦後にあの決断へ至った理由がより鮮明になった気がする。
インナーボイスがすごい
インナーボイスは、今回のアップデートで追加された新機能。
各時系列ごとに、その出来事に関わった登場人物の数だけ心の声が用意されていて、とんでもない量に。
そのとき誰が誰に対してどう思っていたのか簡単に書かれていて、特にトルガルの心の声が読めることとか、クライヴやヨーテやエッダのような隠れ家の新入りが当時周りにどう思われていたのか、逆に隠れ家の人々にどんな印象を抱いていたのかとか、とにかくいろいろおもしろい。
個人的に気になったのは、ベネディクタの「くそ犬」…
ではなくて、オリジン浮上時のディオンがシドに「貴公が追っていた敵もアルテマであったか」と思ってるところ。
このふたりが会ったのってクライヴがシドに会うより前だよね? インナーボイス自体、ドミナントがドミナントをどう思っているのかに関してはあってないような情報量なのに、この心の声が用意されているのは興味深い。
ディオンがジョシュアの話をすんなり理解したのは、シドと会っていることが影響してるんですかね。
おわりに
以上、「空の残響」をクリアしての感想でした。
プレイ中は不満を抱えながらも、終わってみるとあれこれ考えてみたり見返したりしたくなるのも含めていつものFF16。
とりあえず次のDLCまでに、電子版を買ったはいいけど1ページも開いていないFF16アルティマニアを読みたいですね。
- 情報ぎっしりな冒頭の戦場と会談を振り返る
- ガルーダのドミナントを熱烈に振り返る
- フェニックスゲート地下遺跡のシーンがなぜ重要か振り返る
- ジルの「親殺し」という見方
- 叔父さんはどうやってギルを持ち歩いていたの?
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- 不死の騎士と主の関係を考えてトルガルに至る
- ディオンが強いのは当然。ついでにアナベラの結末のこと
- 2周目を終えてのエンディング感想。クライヴは…
- 英語音声のシドやミド、バルナバスはどこの訛りで話しているのか
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