【サイバーパンク2077】ソミの要望を拒む。DLCエンディング感想:ペンタクルのキング(仮初めの自由)
DLC「仮初めの自由」初見プレイ記録。
リード協力ルートのエンディング(ペンタクルのキング)の感想と、DLCの4つの結末を見て思ったことを書いています。
DLC全域のネタバレあり。
ソングバードの要望を拒む
サイノシュアのコアに行く前のデータをロードしてソングバードのもとへ。
死なせてほしいと頼むソングバードに、今回は「お前を生きて連れ戻すことがFIAとの取引条件だ」を選び、ソングバードを殺さない選択をする。
死ぬよりも残酷な運命はイヤだと言ってソングバードは意識を失う。
ソングバードにとっては、ブラックウォールに取り込まれることも、FIAで働き続けることも、死ぬよりつらいこと。
Vはソングバードを裏切り、ソングバードが月で治療を受ける道を断っただけでなく、自分が生きるためにソングバードを地獄に叩き落としたのだ。
しかもこのルートのVは、ソングバードがVに嘘をついていたことを知らない。
ソングバード協力ルートでは、ソングバードの裏切りを聞いた上でソングバードの望みをかなえるかFIAに連れ戻すかを選べたけど、このVはソングバードの裏切りを知らないまま、Vの治療のためにソングバードを犠牲にする。
ソングバードの過去を見て、ソングバードが何を奪われてきたか知って、ソングバードの痛みに共感したのに。
……なんという罪悪感。
でもVだって生きたいから。
ソングバードはVを責めないだろう。
どのルートでもソングバードは、自分を責めることはあっても、誰かを責めたり恨んだりすることは言わなかった。
ソングバードの命を救う。その点だけならVもリードも目的を達成した。
リードは「俺たちは正しいことをした。彼女も助かる」と話す。
でもソングバードを助けたのは、自分たちのためだ。
Vは、ソングバードは命を救われることを望んでいないと分かっていた。
リードも心のどこかでそれに気づいているものの、「正しいことをした」と自分に言い聞かせている。
マイヤーズから勲章をもらう
ソングバードを死なせたときとは打って変わって、Vの働きに満足して愛想のいいマイヤーズ。
勲章までくれたよ。
マイヤーズはソングバードの回復を約束してくれたものの、これまでのことは最重要機密だからVがソングバードと連絡をとることはできないとバッサリ。
締めに「常に見ているからな」って言われて、マイヤーズは冷たくても怖いけどニコニコしていても作り笑いで腹の底が見えなくて怖いなって思った。
たしかにVは新合衆国の内情をいろいろ知りすぎたけど。
FIAは最良の医療施設でソングバードの治療ができる。
こんなボロボロになってからでも治療ができるなら、どうしてもっと早くちゃんとした治療を受けさせなかったの? と思わずにいられない。
アレックスのセーフハウスにあったソングバードの医学的見解には、ソングバードには認知機能や人格に気になる点があるから、ただちに任を解いてケアと詳しい調査をしたほうがいい、といったことが書かれている。
マイヤーズもリードも、ソングバードがブラックウォールに蝕まれていることに何年も前から気づいていた。
今回のゴタゴタすら自分の功労にしてしまうマイヤーズはともかく、リードはソングバードの味方でいたかったのなら、こんなことになる前に打てる手はあったはず。
大統領にもらった勲章をホームレスに渡す
ソングバードも大統領から勲章をもらったことがあり、ソングバードはそれをホームレスに渡したとリードが話してくれた。
マイヤーズからの勲章などうれしくないし何の価値もない、というソングバードの本音が透けているというか漏れているエピソードだ。
後日、ソングバードに習ってVも勲章をホームレスに渡してみた。
これは西ウィンド・エステートの階段そばにいるホームレス。
Vの言葉も「いいんだ、俺には何の価値もない」だった。
リードは変わらない
バスケットコートでリードは、ソングバードの命を救ったことでVに感謝を伝える。
神経マトリックスはもう効かない状態だったがソングバードは無事、現場復帰もあり得るかもとリードは話す。
ソングバードに神経マトリックスが使えなかったことで、神経マトリックスは一度しか使えないという事実をVが知ることはなかったわけだね。
ソングバードを生かしたことに懐疑的なVは、「マイヤーズは決して彼女を自由にしない」「精神を修復できず元の彼女に戻すことができなかったら?」「死なせるのが最善の選択だったとしたら?」とあれこれリードにたずねる。
リードの答えは「生きていれば希望はある」とか間違いは許されないとか、ふんわりした理想で、正しいことをしたと自分に言い聞かせているようだった。
エンディングでのリード
そのままRelicの治療へ。
手術を受けて、2年たって、インプラントを受けつけない体になって、絶望して、ミスティと会って新たな道を歩むのは同じ。
ただ、エンドクレジットのリードのメッセージは、ソングバード協力時とは違っていた。
俺はVとソミを失望させたからVだけでも助けたい、というような内容。
あれだけ手を尽くしたのに真の意味でソングバードを救えたわけではない、と気づいたのか、リードは後悔している様子。
二度と後悔しないと誓っているリードは、手術して元の生活ができなくなったVを助けることで、自分を救おうとしている。
そんなふうに見える。
4つの結末を見ての感想
「仮初めの自由」の結末を4つ見終えて、「ほんとこれ」と思ったのはジョニーの言葉。
「物語ってのは、常にハッピーエンドとは限らない。永久に答えが見つからない問いが残ることだってある」
ソミを救うのか、リードを救うのか、Vを救うのか。
すべてはプレイヤーの選択次第。
選んだら選んだらで、ああしたほうがよかったのでは? と考えてしまうのがサイバーパンク2077のいいところ。
勢いと見ごたえがあるのはソングバード協力ルートだけど、ソングバードとリードのことをよりよく知ることができるのはリード協力ルートで、両方プレイすることで物語への愛着が増し理解が深まるのもよかった。
自分が最高だと思っているゲームが最高のDLCを出してくれたことが本当にうれしい。
難点は保存できるセーブデータの数が少ないこと。
まだ終わっていないDLC関連のジョブや依頼がたくさんあるので、しばらく楽しめそうです。