【サイバーパンク2077】ソミを帰す。DLCエンディング感想:ソードのキング、塔(仮初めの自由)
DLC「仮初めの自由」初見プレイ記録。
ソングバード協力ルートのエンディング(ソードのキング、塔)を見た感想です。
これを書いている時点では、リード協力ルートは未プレイ。
下記ジョブのネタバレあり:
- THROUGH PAIN TO HEAVEN / 痛みを経て
- WHO WANTS TO LIVE FOREVER / リヴ・フォーエヴァー
- THINGS DONE CHANGED / 昔と違う今
出発前のリードに呼び出される
「THE KILLING MOON / 絶望の月」終盤、リードとの取引を受け入れた上でソングバードをリードに渡すと「THROUGH PAIN TO HEAVEN / 痛みを経て」発生。
後日リードから連絡があり、ナイトシティを出発する前に会っておきたいと呼び出される。
上からDCに戻るよう言われたリード。ドッグタウンに7年、ナイトシティには10年いたのだそう。
ソングバードについては「あいつなら大丈夫だ。大変なリハビリが待ってるがな」「マイヤーズは実利主義だ。ソミを職務復帰させ、仕え続けることで罪滅ぼしをさせるだろう」と。
リードにソングバードを任せた結果、ソングバードは治療してもらえるけど、結局マイヤーズのもとで働かされるってこと?
Vとリードの、ソングバードの命を救うという目的は果たされる。
しかし、ソングバードは籠の中の鳥であり続ける。
リードの心に引っかかっていること
ソングバードがスペースフォース・ワンからホロコールをかけたのが、リードではなくVだったのはなぜなのか。
リードはこのことを考え続けており、Vの意見を聞きたいという。
どう答えてみてもリードは納得いかない様子だし、こちらもしっくりこない。
マイヤーズに差し出されるのを恐れたと言うと「命令に逆らってソミを助けたんだぞ」と返される。でもソングバードはマイヤーズのところに戻るんだよね。
一度裏切って会わす顔がなかったと言うと「あれは命令だから俺は気にしてない」と返される。でも、7年間連絡せずに放置していて、ソングバードがああなったのはマイヤーズを止められなかった俺のせいだと悔やむんだよね。
「あの時、俺がホロを受けていたら、正しい選択をしてやれただろうか」と悩むリード。
正しい選択ができたかを決めるのは、ソングバードだ。
リードがソングバードと直接話す機会がないと言うのなら、一生答えは分からない。
Vだって、ソングバードを月に送るかリードに引き渡すかのどちらを選んでも、正しい選択ができたかを知る方法はない。
できることは、自分で正しかったのだと納得することだけ。後悔するのなら、結果を受け止めて生きるしかない。
リードの悪いところは、どうにもならないことで悩んで自分自身を苦しめていることだとVは指摘する。
それを理解するまでリードは苦しみ続けるのだろう。
話が終わり、手術の手配が整ったら連絡すると言ってリードは出発する。
そして、車の前に立ってたらリードにひき逃げされたV。
え、そんなにVに裏切られたこと根に持ってたの??
ジョニーとの別れ
ジョブ「WHO WANTS TO LIVE FOREVER / リヴ・フォーエヴァー」。
手術前に家に寄り、アレックスのポストカードを入手し、ニブルズとイグアナを見納めし、ミスティのエソテリカの屋上でFIAのAVに乗り込む。
Vの治療はすなわちRelic上のデータを完全に消し去ることであり、ジョニーが消えること。
なんで最後なのに険悪な雰囲気に…と思いつつ、ジョニーにとっては死ぬことと同じだから不安だったんだろう。たとえRelicのジョニーが、ただのデータだったとしても。
2人で助かる方法があればよかったけど、そうはいかなかった。プレイヤーとしてはVが助かる道を選びたい。
Vはジョニーのこと忘れないよ。
自由の代償
ジョブ「THINGS DONE CHANGED / 昔と違う今」。
手術が終わって目が覚め、リードからいろいろと衝撃的な話を聞く。
- 手術は成功したが、神経系に損傷を受けた
- 戦闘用インプラントはもう使えず、今までのような生き方はできない
- Vは2年眠っており今は2079年
Relicを取り除いたら元の生活に戻れるという期待は打ち砕かれる。
行く場所を決めるため、Vは友人たちに連絡をとる。
たまりにたまったメッセージ。パナムからの着信55件…。
Vにとっては翌朝くらいの感覚でも、実際は2年の月日が流れている。友人たちの変化は大きかった。
- パナム:別の土地へ行って音信不通
- ケリー:月でライブ中で忙しい
- ジュディ:引っ越して結婚
- リバー:闇落ち
誰もVに会おうとしてくれない。彼らにしてみれば連絡をよこさなかったVが悪いんだろうけど。
恋人のひとりは通信がつながらず、もうひとりの恋人は2年たった今もトップスターの座を守り続けているようだ。一応ケリーは「俺が戻ったらすぐに会いに来い」と言っていたけど、違うんだ、今のVには今すぐ会える人が必要なんだ。
ジュディは相変わらず優しかったけど、恋人だったらショックすぎる近況報告。リバーはどうしてこうなった。
家は家賃滞納で強制退去。ペットも買い取られた。
自由を手に入れた代わりにインプラントを使える体を失い、恋人も友人も家も夢も失った。
Vに残っているのは、「俺のとこへ来い」と言ってくれるヴィクターだけだ!
ヴィクターとの別れ
デラマンに励まされながらヴィクターのもとへ。
距離ができた友人たちと違って、変わらぬヴィクターに「持つべきものはヴィクターだ」と思っていたけど、ヴィクターの診療所は激変していた。
アラサカがナイトシティから撤退し、ゼータテクがシェアを拡大し、ヴィクターはゼータテクの買収を受け入れ、ミスティは店を閉めて出ていった。
診療所はゼータテクに管理され監視されている。
ここで分かったのは、ヴィクターでもVがどうにもならないこと。
そして、今までVが一方的にヴィクターを頼りにしていたわけではなく、ヴィクターのほうもVを心のよりどころにしていたこと。
ゼータテクの買収を受け入れたのは、Vが死んだ(と思った)ことが大きいだろうから。
ヴィクターという人は、友人に協力したり支えたり面倒見たりすることが生きがいだったのかもしれない。
その一方で自ら変化に抗うことはなく、周りに流され、今に満足していると自分に言い聞かせる。
実力があるから今の仕事もうまくやっているけど、客はコーポ関係者ばかり。ミスティもVもいなくなり、心は満たされない。かといって何かするわけでもなく、淡々と流されるまま日々を過ごしている。
ヴィクターが何気なく言った「親しいと思ってた相手と何ひとつ共通点がないことに気づくこともある」という言葉。
これはVとヴィクターにも当てはまる。
ヴィクターはVの帰りを喜んでくれているが、インプラントが使えないVにヴィクターができることは何もない。
同時に、 インプラントが使えないVはもうリパードクに用はない。それに、コーポの言いなりになっているヴィクターをVは好ましく思っていない。
Vとヴィクターの関係は変わってしまった。
その他大勢の一人
ヴィクターの診療所を出て、Vがチンピラにからまれ何もできないまま無惨に殴られるシーンは、むしゃくしゃするけど本当にいい演出だね…。
元クレド50の傭兵の変わり果てた姿を、身をもって思い知る。
奇跡的なタイミングでミスティと再会。
Vの人生の節目にはいつもミスティがいる。
Relicのジョニーが現れたとき、最終決戦の決断をするとき、そして今回はRelicがなくなったとき。
ザコに敗北したことを嘆くVにミスティは言う。「その他大勢の世界へようこそ」と。
Vの周りにはたくましい友人が多かったからあまり意識したことなかったけど、ナイトシティで暮らす大半の人はミスティのように路地裏を避けて、銃声が聞こえたら逃げて、危険に巻きこまれないよう生活している。
武器を何種類も抱えてギャングに突っ込んだり、物陰からハックして武装集団を壊滅させたり、出来心でNCPDにちょっかいを出したりなんてことは、普通はやらないことだったのだ。
Vはその他大勢の一人になっただけ。
人生は変化するもの。失って取り戻して、そのたびに何をよりどころにするか変わっていく。そうミスティは語る。
ただのVとして生きる
別れ際、ミスティはVにネックレスのことをたずねる。
Relic強奪後、デクスター・デショーンに撃たれたVの頭から取り出した弾丸を使って、ミスティがお守りとして作ってくれたネックレス。
肌身離さず身につけていたネックレスは、いつのまにかなくなっていた。
もう必要ないから気にしないで、とミスティは言う。
Relicがなくなり、ジャッキーの夢を継げなくなった今、生きたいという意志やナイトシティという場所に縛られて生きる必要はない。
ただ、Vはインプラントに頼れないため、生活には人一倍の注意と努力が必要になるだろう。
できることは減ってしまったけれど、Vはその他大勢の一人として、今できる最善は何かを考えながら新しい人生を歩み始める。
雑踏に溶け込んでいくVは、もはやNPCと区別がつかなくなっていた。
VはただのVになった。
過去は取り戻せないけど、Relicを通じて失って得たもの、出会いや経験はVの中で生き続ける。
ミスティがジャッキーの上着を大事にはおり、Vとの再会を喜び、新たな環境に飛び込むように、Vも過去を大切にしながらプレイヤーの知らない道を行くのだろう。
Relicからもプレイヤーからも解放されて、真に自由になったVは、これから自分の意思で自分の人生を生きていく。
私の作ったVはもういない。
でも、生きることをあきらめないVがどこかにいる。
喪失感と希望が心にジュワっと広がっていく。
2020年12月に発売された『サイバーパンク2077』。当時このエンディングが用意されていたら、こんな気持ちになることなくサラッと流して終わってたと思う。
エンドクレジット
この追加エンディングには、エンドクレジットでVの友人たちからのメッセージが用意されていた。
- ローグ:うしろにニブルズがいるーーーー!! ただのVはもうアフターライフには行けないけど、死なずに伝説になれたのは誇れるのでは。
- タケムラ:サブロウに続いてハナコも死なせてしまったのか。それでも切腹せずたくましく生きているタケムラを見られて私はうれしい。タケムラとリードって似てる気がする。
- ミッチ:パナムは落ち込んでる、お互いのためにもう連絡しないでくれ、とパナムとVの両方に気遣ったミッチらしいメッセージ。
- リード:まだ「他の道を選んでいたら」と考えているの…? 首を吊るんじゃないかというジョニーの予想は今のところハズレ。
- ヴィクター:新しい生活の前に過去を懐かしみたいらしい。今のVと話が合うのかな。ヴィクターなりに変化に対応しようとしているとは思う。
だいぶ友人が減ったなあと思う一方で、まだVのことを気にかけてくれる人がいるのはありがたい。
さて、リード協力ルートやるか。
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