【FF16】ジルの「親殺し」という見方(2周目プレイ記録4)

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『ファイナルファンタジーXVI』の2周目(FFチャレンジ)のプレイ記録。

主にストーリーに関して、2周目で感じたことや気づいたことなどを書いていきます。

英語音声でプレイしていたら、「ドレイクブレスのジルにはこういう見方もあるかも」と思ったので、今回はそれについて。

メインストーリー全域のネタバレがあるので、1周クリア後の閲覧がおすすめ。

ジルがドレイクブレスに行く目的

マザークリスタル・ドレイクヘッドの破壊から5年が経過し、次の標的は鉄王国のマザークリスタルになる。

鉄王国で13年過ごしたジルは、大司祭イムランを殺し、過去に決着をつけたいという。

マザークリスタルを壊すのは人々のためだが、イムランを殺すのはジル自身のため。

鉄王国に行く目的は、クライヴとジルで異なる。

クライヴは、「ついでに祖国の復讐も果たしてみては?」とヴィヴィアンに言われても、「ドレイクブレスを破壊しに行くだけだ」ときっぱり否定した。

クライヴはすでに過去と向き合い、個人的な戦いはせず人が人として生きられる世界をつくるために全力を尽くしている。

対してジルは、クライヴと同じ道を歩むことを望みながらも、過去のことが重石になっている。

鉄王国の言いなりになって、たくさんの人を殺してきたこと。

今も恐怖に縛られながら鉄王国で暮らす人がいること。

すべての原因である、イムランという悪魔に手を下さなかったこと。

そして道中でアナベラの命じるベアラー粛正を目の当たりにし、これは獣のすること、でも似たようなことをした自分もただの獣だったと、ジルは考えている。

イムランを殺すことで、ジルは獣ではなく人として生き、クライヴと共に歩むことができる。

ジルが鉄王国に行く主目的はそこにある。


あと思ったのは、鉄王国でジルはクライヴにもプレイヤーにも言えないような被害に遭っていたんじゃないかな…ということ。

加害者がイムランとは限らないけど、兵士とか。特に覚醒前ならありえそう。

もしそうだとすると、ジルがイムランを殺すことって復讐の意味合いも入るかもと思ったけど、この点は考えないことにした。

「親殺し」で獣から悪党へ

マザークリスタルを壊し、イムランに自分が何をしたか分かってるのかと問われたジルは、

「分かってる。だって私は穢れた血を持つ悪党なんだから」

と答え、イムランを刺し殺す。

このシーンの英語音声を聞いてたら、日本語音声のときとはまた違う印象を受けた。

まず、「分かってる」の部分が「I do, father」だった。

イムランは司祭だからfather。

fatherには父親という意味もある。

私の頼りない記憶と聴力が確かならば、ジルがイムランをfatherと呼ぶのはここが最初で最後だ。

あえてfatherという単語が使われたのを聞いて、「ああ、これはジルにとって親殺しなんだ」と思った。

(そう思った途端、刺したときのいびつなハグのような構図が趣深く見えてきた)

そして、英語だと「穢れた血を持つ悪党なんだから」の部分が、「獣を殺して悪党になった」という表現になっている。

ジルにとってイムランを殺すことは、獣として生きていた過去との決別。

獣は過去のジルと、イムランの両方を指していると思う。

そこには個人的な復讐も含まれていたかもしれないが、ジルが獣から人になるために必要な革命だった。

獣では悪党になれない。人だから悪党になれる。

親を殺し、親から自由になってようやく、ジルは自分の意志で悪党になることができるのだ。


イムランを殺したことで、鉄王国に囚われていた人が助かったのはもちろんだけど、誰よりも救われたのはジルなんだと思う。

まさにシドの言う「お前を救えるのはお前だけなんだから」。

クライヴがイムランを殺してもダメで、ジルが自分でイムランを殺したことに意味があった。

ジルがイムランというfatherを殺すことは、マザークリスタルというmotherを殺すためのステップ。

鉄王国のエピソードは、ジルが過去と決別する姿を描きつつ、クライヴと一緒に母親殺しという大罪に向かうジルの強い決意を表しているのだと思った。

ジョシュア覚え書き

ドレイクブレスの破壊後、クリスタル自治領に向かうジョシュアのシーンがある。

クリスタルの加護のもとで生きるのは幸福だけど不自由、加護を離れるのは苦難だけど自由。

どちらがいいのか、ジョシュアにはまだ答えが分からず、クライヴならどうするだろうかと考えている。

クライヴは5年前に決断を済ませ、マザークリスタル破壊の道を突き進んでいる。

兄弟ですごく対照的だな、という場面なんだけど、考えてみるとジョシュアが答えを出せないのは当然かもしれない。

この時点では、ジョシュアがアルテマの痕跡を調べているのも、クライヴのためというのが大きい気がする。


ジョシュアって、ゲーム全体を通して悪党・罪人になっていない唯一のドミナントじゃないか?

一般人を殺していないし(たぶん)、兵器にもなっていないし、マザークリスタルを壊す一味でもない。

フェニックスだけが召喚獣の中で再生の力を持つ、というように、フェニックスのドミナントは特別な存在。それは踏まえておきたい。

続き:叔父さんはどうやってギルを持ち歩いていたの?

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