【ディスコ エリジウム】テキストに圧倒されながらクリアした感想(ネタバレなし)
2022年のマイベストは『エルデンリング』だろうと思っていたら、とんでもないゲームが日本にやってきた。
それは『ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット』です。
本記事では、
- 「ディスコ エリジウム」がどんなゲームか
- 1周クリアした時点での感想
を書きました。
ネタバレはありません。
どんなゲームか
「ディスコ エリジウム」は、記憶を失った刑事が相棒と共に殺人事件を捜査するRPG。
一般的なRPGでイメージするような戦闘やアクションはありません。
代わりに、24の人格と膨大な量のテキストと軽い運ゲーに翻弄されながら、地道な聞き込みと現場検証で証拠を探しながらゲームを進めていきます。
かなり独特なゲームなので、向き不向きがあると思います。
私の独断と偏見でこのゲームに向いている人を挙げるとこんな感じ。
- 本を読むのに抵抗がない
- テキストが日本語なら英語音声でも大丈夫
- 下ネタやブラックジョークを許容できる
- 政治的な話OK
- 戦闘のないRPGを遊んでみたい
- 地道な聞き込みと現場検証をして事件を解決してみたい
- バディもの大好き
- RPGで新しい村に着いたら村人全員と話をしないと気が済まない
以下、本作の感想です。
圧倒的ボリュームのテキスト
「ディスコ エリジウム」最大の特徴は、とにかくテキストが多いこと!
次から次へと選択肢が出てくるので、全部選んでいると1人と話し終えるのに10分以上かかるということもザラ(測ったわけではないので10分じゃないかもしれない)。
なんでこんなに話すことあるの? というくらいみなさんよくしゃべる。
序盤はあまりの情報量に窒息しそうになる。
さらに、内面の24人格も次々に会話に入り込んできて、人格のスキルレベル次第ではさらに選択肢が増える。
人格のスキルは自分で選んでレベルアップさせるので、ある場面で特定のスキルを上げていないと永遠にお目にかからないかもしれない選択肢があると思われる。
タスク(ミッションやクエストみたいなもの)を済ませる順番によって会話が微妙に変わるので、ただでさえ多い会話にセリフのバリエーションも膨大。
全種類のセリフを見ることは一生ない気がする。
作り込まれた世界観
本作の舞台は、架空の土地レヴァショールにあるマルティネーズ地区。
幸い(?)主人公が記憶をなくしているので、マルティネーズがどういう場所なのかは主人公と一緒に学んでいくことになる。
住人に話を聞くうちに分かってくるのは、この世界が私たちの世界とはまったくの別物だということ。
私は最初、現実世界を舞台にマルティネーズがあるのかなと思っていた。『ハコヅメ』の岡島県町山市のように。
そうではなく、「ディスコ エリジウム」は世界の成り立ち、地理、宗教、あらゆるものが独自に作られたものなのだ。
さらに登場人物は、この世界独自の共産主義やら伝統主義やら資本主義やら倫理主義やらの思想を持っている。
オリジナルの世界にオリジナルの思想が絡み合うことで、「ディスコ エリジウム」は実に壮大で奥深い世界観を構築している。
その全容は一度ゲームをクリアした程度ではたいして理解できなかったけど、予想以上に作り込まれていた世界はなかなか興味深い。
主人公の生き様を決めるのはプレイヤー
「ディスコ エリジウム」のゲームとしておもしろいところは、主人公の生き方をプレイヤーが決められること。
ゲーム開始直後、プレイヤーは主人公が何者なのか知らない。
本人も記憶を失っているので、より一層わけが分からない。
周りの人物は主人公が誰なのか知っているようだけど、詳しいことは教えてはくれない。
オープニング直後の様子だと、主人公はなかなかヤンチャで病んだぶっ飛んだおじさんなのかなという印象を受ける。
主人公がどんな人物なのかは、エンディングに向かうにつれ少しずつ判明はする。
しかし、最終的にはプレイヤー次第なのだ。
主人公を知性派にするか、肉体派にするかはプレイヤーの育成次第。
主人公を清廉潔白な警察にするか、アルコールも薬物もガンガン摂取する悪徳警官にするかもプレイヤーの方針次第。
さらに、主人公の政治思想を差別主義寄りにするのか、資本主義寄りにするのかといったこともプレイヤーの選択次第。
主人公をどう作り上げるかによって、相棒の反応が変わってくるのも注目点だし、主人公と相棒両方の変化が見たいから2周目もやりたくなる。
なんと巧妙な作りだろうか。
記憶喪失の主人公にはれっきとした経歴と傷だらけの過去があるが、主人公の現在と未来を作るのはプレイヤーだという点は、このゲームの醍醐味のひとつだと言える。
ただ、このおじさん、若者のちょっとした一言でダメージを受ける繊細なおじさんで、治癒を怠るとゲームオーバーになる点には注意しないといけない。
いまいちだったところ
ゲームとしていまいちだったところもある。
主な難点は、物陰近くの階段や海辺の段差などでどこが通れるのか分かりづらいことと、思考キャビネットの恩恵が内面化するまで分からないこと、エンドクレジットをスキップできないこと。
あと、スキルチェックが運要素なので、肝心なときに失敗すると萎える。
(重要な選択肢ではスキルチェックというものがあって、特定スキルが高かったり特定条件を満たしていたりすると成功率が上がるシステム)
もちろん、都合が悪ければリセットすればいいだけの話なのだけど、とある重大シーンの重大スキルチェックで成功率97%なのに失敗したときは発狂しそうになった。
リセットしたけど。
おわりに
「ディスコ エリジウム」は奥深く繰り返し遊びたくなるゲームです。
延々と続く文章とほんのり現実離れした世界観ゆえに、遊ぶ人を選ぶ作品ではありますが、他に類を見ないゲームであることは間違いありません。
私はこれからトロコンのため、ハードコアモードで2周目に取りかかります。
1周目では気づかなかった要素やクリアできなかったタスクをなるべく拾っていきたいです。
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