【プレイグ テイル -イノセンス-】メリーの心中をお察ししたい(ネタバレあり感想)
ゲーム『プレイグ テイル -イノセンス-(A Plague Tale: Innocence)』の、最終章を見ての感想です。
私の中で印象に残っているのはメリー。
アミシアとの交流は見ていて楽しく、存在感のあるキャラクターでした。
しかし、はっきりとは描かれていないものの、チャプター17時点のメリーの心境はかなり複雑だったのだろうと思います。
以下、チャプター17までのネタバレあり。
当初、メリーはカネ目当てでアミシアとユーゴを助けた。
アミシア側のメリーの印象もよくはなく、しばらくアミシアはメリーを警戒し不信感を隠さなかった。
育った環境も身分も大きく違うメリーとアミシアだったが、次第に2人は打ち解けていく。
シャトー・ド・オンブラージュのネズミを除去する作業中、雨に打たれながらアミシアとメリーが冗談を言い合っているのを見て、もしかするとアミシアは年齢の近い女の子と話したのはこれが初めてか、かなり久しぶりだったのかも、と思った。
(A Plague Tale Wikiによると、アミシアが15歳でメリーが16歳)
メリーのざっくばらんで冗談好きの性格は、突然両親を奪われユーゴの命を背負うことになったアミシアを年相応の少女に戻す。
(ルカもメリーがいると少年らしさを見せる。ルカは12歳だそう)
メリーの存在はアミシアの隠されていた一面を引き出した。
一方、メリーもアミシアたちから影響を受ける。
メリーはシャトー・ド・オンブラージュで過ごすうちに、盗みを働き逃亡を続ける生活ではなく定住を望むようになる。
アミシアと良好な関係を築いていたメリーだったが、エピローグではアミシアに同行することなく姿を消していた。
逃げ回る生活はしたくないと言っていたのに、なぜ? と思ったが、考えてみれば当然で。
アルチュールを失ったことがメリーの考えを変えたのは間違いない。
メリーとアルチュールは双子であり、2人は暴力的な父親から逃げ出して以来、ずっと協力しあって生きてきた。
アルチュールはメリーの半身と言って差し支えなく、アルチュールの死による喪失感は計り知れない。
ヴィタリスを倒すという目的があったときは、怒りがメリーの喪失や悲しみを覆っていた。
では宗教裁判に勝利しネズミの脅威が去ったあと、メリーの気持ちのやり場はどこへ向かったのか。
それはユーゴではないかと思う。
「ユーゴがいなければアルチュールは死ななかった」
「ロドリックも死ななかった」
そんな考えがメリーに浮かんだのではないか。
ユーゴがネズミを操れると知ったとき、ルカやロドリックとは異なりメリーは一歩引いたような反応だった。
チャプター17の村人もユーゴには関わりたくないような反応で、メリーはそういった村人と同じ表情で自分を見ていたとユーゴはアミシアに言っていた。
ユーゴの力は危険であり、その力がアルチュールを失うきっかけになった、これ以上ユーゴと関わるべきではない、とメリーは思ったのではないかと推測する。
アルチュールの死に関して、メリーは後悔の念に駆られた可能性もある。
シャトー・ド・オンブラージュに残ることを望んだメリーに対し、アルチュールは元の生活に戻ろうと話していた。
アルチュールはユーゴに対して何かしらの警戒心があったのかもしれない。
宗教裁判にとらわれていたときに、いろいろな話を耳にして「デ・ルーン家のそばにいないほうがいい」と感じたのかもしれない。
あのときアルチュールの言うとおりシャトー・ド・オンブラージュを離れていたら、アルチュールは生きていたかもしれない。
そうメリーが考えてもおかしくはない。
チャプター8でメリーはアミシアに「ユーゴと一緒に行くのは大変だろうけど、絶対に見捨てるべきじゃない」と話していた。
その結果、アミシアはユーゴを救い母親も助け出す。
メリーだって兄弟を見捨てたわけではないのに、家族を取り戻したアミシアとは反対にメリーはたったひとりの家族を失うことになる。
この事実には理不尽さを感じずにはいられない。
メリーはエピローグに登場しないため、メリーの真意は想像するしかない。
確かなのは、『プレイグ テイル -イノセンス-』の結末はメリーにとって喜ばしいものではなかったということ。
馬車の荷車で笑い合うアミシアとユーゴにほほえましさを感じながらも、メリーのことが心に引っかかる。
そんなチャプター17でした。
<参考>
Melie | A Plague Tale Wiki | Fandom
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