【サイバーパンク2077】表現規制がなければなあと思った話(ネタバレなし感想)

PS4版『サイバーパンク2077』の、日本版に入っている表現規制について思うことを書きました。

今までゲームの表現規制について気にしたことはなく、『ウィッチャー3』の規制も特に気にならなかったから今回も大して影響ないだろうと考えていたのですが、『サイバーパンク2077』の性描写や残虐描写への表現規制は思いのほかインパクトがありました。

まだメインストーリーをクリアしておらず、ネタバレに触れないようネット検索を控えめにしているため、私が知らないだけとか思い込んでいるだけといったこともあるかもしれません。ゲーム発売数日後・プレイ時間20時間くらいの段階で思ったことを書いています。

性表現の規制のアンフェア感

日本語版かつPS・Xbox版の『サイバーパンク2077』では、ゲーム内の裸体や性表現に修正が入っている。

本来のバージョンだと、最初のキャラクターメイキングで各種プライベートゾーンの形や大きさがカスタマイズできる。

女性に男性のものをつけたり男性に女性のものをつけたりもできるという。2020年の最新ゲームとしてあらゆる性的指向に対応しているだけでなく、身体改造が当たり前の世界だからこその仕様だと考えるとおもしろい。

ただ、こういうおもしろさを感じる機会すら、日本版というだけで他のプレイヤーと同じように与えられないのは悲しい。

まあ局部は日本だと映画やドラマでもアウトだし、主人公の下着の中は本編では見えない部分なので(知らんけど)まだ理解できる。

「解せぬ」と思ったのは行為の部分がまるっとカットされていること。この世界観でそこなくしてしまう? と。

CEROの禁止表現に該当するからなのだろうけど、映画やドラマはOKなのにゲームだけダメなのは謎。

規制はあらかじめ公式サイトでアナウンスされていたので、もちろん分かった上でPS4版を買っているものの、同じ『サイバーパンク2077』で同じ日本語版でもPC版は規制されていないというから一層理解に苦しむ。

(そういえば『ラストオブアス2』でも性的なシーンはがっつりカットされていたけど、あれは興味ない2人だったから全然気にしていなかった)

そんなんだから動画サイトを英語で検索して日本版と本来のものを比較してしまうわけですよ。

私が見たのは今のところメインジョブ「伝達」のワンシーンと、ジャパンタウンにいるジョイトイだけだけど、やっぱり本来のバージョンはもっと長くて濃密だった。

メインジョブ「伝達」は中の人があの人のシーンなので、もし私があの人のファンだったらクーデターを起こしていたと思う。

ジョイトイは100ユーロドル払っているにもかかわらず、見られるものが規制のあるなしで全然違うことに軽い怒りを覚えた。

メンズVで男ジョイトイと女ジョイトイ両方買ってみて、そのあと動画サイトで本来のバージョンを見たわけですが。

日本版とオリジナルでは、具がもやしだけの薄味な味噌ラーメンとトッピング全部乗せした濃厚魚介豚骨ラーメンくらい違った。同じ100ユーロドルなのに。

着衣の修正は入れてもいいからカットはしないでくれたらなあと、はかない希望を抱く。

たしかに公式サイトの言うように「イベント単位での削除」はないものの、ガラパゴスな審査基準でせっかく制作側が作ってくれたものが見られないアンフェア感が残る。

残虐表現の規制は時にゲームプレイに支障あり

日本版の『サイバーパンク2077』には、グロテスクな死体についても修正が入っている。

私は残虐描写が好きではないので、そのへんの規制は気にならないだろうと思っていたのだけど、実際にプレイして考えが変わった。

グロテスクなものにも意味があり、修正が入ることでゲーム体験が損なわれることもあるのだ。

それを実感したのは、メインジョブ「悪夢の作品」で、歯医者の患者のような状態でイスに放置された死体を見たときのこと。

死体を見てVが「内蔵まで抜き取られたらしい」と言うのだが、死体には頭から足元まで布がかぶせてあってプレイヤーにはどんな様子なのかさっぱり分からない。

だから内臓とか言われても「うちのVちゃんは何を言ってるの?」とか「なんで布ごしにそんなこと分かるの?」とか「私、何か見落としたっけ?」とか、余計な方向に思考が行ってしまう。規制によってプレイ体験が邪魔されているわけです。

Amazonオリジナルドラマの『アメリカン・ゴッズ』でも、セリフの内容を補完するはずの写真にボカシが入っていて意味不明になるシーンがあったことを思い出した(男性のアレの写真だったらしい)。

ゲーム内の布修正は別にシナリオに関わるような要素ではないものの、キャラクターのセリフとプレイヤーが見ているものがかみ合わないというのはゲームプレイに支障をきたす。

また、オリジナル版を見たら「こんな残酷な世界でVは戦っているんだな」といった、布修正版では感じない気持ちを抱いたかもしれない。

こういったゲーム体験が日本だけの規制によって妨げられているのは残念極まりない。

どうやらこのゲームの残虐な屍は布でカバーされているらしい、とメインジョブ「悪夢の作品」でようやく気づいたのだけど、今思えばゲーム序盤にあった布をかぶせた死体も修正版だったのね。私が気づいていないだけでほかにも修正されている箇所がありそう。

おわりに

『サイバーパンク2077』の日本版だけ表現規制でほかの国のプレイヤーと同じゲーム体験ができないのは無念です。

同じ日本版でもPC版は修正が入っていないので、もし今後もPS4(およびPS5)版は規制が続いてPC版はそのままという傾向が続くのなら、私はPS5じゃなくてゲーミングPCの購入を検討したほうがいいのかもしれない。

表現規制が気になる場面はゲーム全体で見れば少ないので気にせず遊べばいいのですけどね。

ゲーム自体はとても楽しいし、日本がかなり活躍している作品なので、なおさら完全な状態で遊びたかったなあと感じます。


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