【ウォッチドッグス レギオン】ネタバレなし感想② 誰でも操作キャラにできる斬新さと難点
『ウォッチドッグス レギオン』をクリアしてトロコンまで完了したので、感想をまとめました。
過去の作品を遊んでいなくても楽しめるのか、主人公のいないゲームシステムはどうだったか、私がどんなバグに遭遇したのか、といったことを書いています。
ストーリーのネタバレはありません。
ゲームの概要
『ウォッチドッグス レギオン』は2020年10月29日に発売された、近未来のロンドンが舞台のオープンワールドアドベンチャーゲーム。PS4版、Xbox版、PC版などが出ている。
プレイヤーはハッカー集団デッドセックの工作員を操作し、ハッキングや武器を駆使してミッションをこなしていく。
本作最大の特徴は主人公が存在せず、街を歩いている一般市民が誰でもデッドセックの一員になれること。
全市民に詳細なプロフィールやスキルが用意されており、気に入ったキャラクターを勧誘して自分だけのレジスタンスを作ることができる。
過去作を遊んでいなくても楽しめる
本作は『ウォッチドッグス』『ウォッチドッグス2』に続くシリーズ3作目。
デッドセックやctOSといった用語はシリーズ共通だが、ストーリーにつながりはないため過去作を遊んでいなくても問題ない。
(そもそも英語音声だと日本語字幕の改行位置が変なので、他の作品を遊んでいても話が頭に入ってこない)
操作方法は前作とほとんど同じ。『ウォッチドッグス レギオン』から始める場合は、もしかしたらゲームの進め方やガジェットの使い方に慣れるまで大変かもしれない。
私はシリーズを遊んだのが『ウォッチドッグス2』からで、最初のうちはどのミッションも自分で目的地まで行かないといけないと思っており、真っ先に見つけた入口から侵入してはすぐ敵に見つかったり撃たれたりして苦労した。
遊んでいるうちに、入口はいくつもあって敵が少なそうな場所を吟味してから侵入したほうがいいとか、遠くからドローンを操作するだけでクリアできるミッションもあるとか、武力行使で突撃もできなくもないとか、ひとつのミッションに対するアプローチがたくさんあることが分かってきた。
本作も同様で、「ここはスパイダーボットだけでいけるな」とか「貨物ドローンで屋上から行ったほうがいいな」とか「あの建機使えるな」とかつかめてくると楽しみ方が広がると思う。
「誰にでもなれる」システムの感想
本作最大の特徴である誰でも工作員にできるシステムについては、よかったところもあればイマイチだったところもある。
感心したのは操作キャラが誰でも違和感ゼロでゲームが進むことと、全てのモブキャラがちゃんと生活していること。
逆に残念だったのはミッションで誰を選んでも同じことと、キャラクターに愛着がわかないことだった。
操作キャラが誰でも違和感ゼロ
まず、誰でも工作員にできるというのは本当に言葉どおりで、条件を満たせばそのへんの通行人から敵対者まで操作キャラになる。
すごいのはキャラクターによってセリフやモーションが異なるだけでなく、誰を操作しても違和感なくストーリーが進むようになっていること。
メインミッションのイベントも、バグリー(優秀なAI)との会話も、ミニゲームのときも、工作員によって言うことが違って飽きない。
全てのモブが生活している
マップに存在するキャラクター1人1人にちゃんとした設定が用意されている。
プロフィールを見れば名前や年齢、職業、年収のほか、家族構成や過去の犯罪歴、検索履歴、買いもの履歴といったプライベートな情報まで書かれている。
何より驚いたのは、それぞれの人物に人間関係があり、生活があること。
街を歩いていると、操作していない工作員が友人と過ごしていたり、工作員や採用候補者の家族や恋人の姿を見かけたりすることがある。
また、各キャラクターには1日のスケジュールが設定されており、例えば昼間はバッキンガム宮殿の近衛兵をやっている人が、夜は宮殿から離れた駅の周辺を私服で歩いていたりする。
自分が仲間にした人であろうとなかろうと、このゲームに存在する全ての人に「生活がある」ことに衝撃を受けた。
襲ってくる敵にも同じように家族や生活があることを考えると、今までだったら平気で撃ち殺していた敵モブもなるべく非殺傷の手段で倒そうと思ったりする。
まあ、実際は戦闘用ドローンをハッキングしてテロリストもびっくりな勢いで惨殺することもあるのだけど。でも「近親者に死亡が通知された」なんて見るとちょっと罪悪感。
よくも悪くも誰を選んでも同じ
本作はキャラクター個別の成長要素がなく、アップグレードできるのは全キャラ共有の武器、ハッキングスキル、ガジェットのみ。
キャラクターによって固有の武器やスキルがあるので、基本的にはミッションにあわせて最適なキャラクターに交代させることになる。
といっても「この人じゃないと進められない」ということはなく、武器やスパイダーボットを駆使すればどのキャラクターでもクリアできる。
私はスパイダーポットで敵を全員テイクダウンしてから目的地に向かう、という進め方が多かったので、立入禁止エリアにあわせた制服キャラを選ぶ必要性もあまり感じなかった。
便利なのでアルビオンの請負業者とプロの殺し屋を使うことが多かったが、1人のキャラを使えば使うほど成長するということはないので、結局は誰を選んでも同じだなと思った。
キャラクターに愛着がわかない
主人公がいないことの弊害というか、私の場合、ゲームクリア重視で進めていたので工作員に愛着がわくことはなかった。
工作員の誰かが拉致されでも「あ、そう、拉致されたのね」というあっさりした気持ちしか芽生えず、前作で仲間が誘拐されたときのような緊迫感はなかった。
また、採用して間もない工作員でメインミッションを進めると、そのキャラクターの名前すら覚えていないこともあり、イベントシーンで工作員が何を言っても全く感情移入できないことも。
敵キャラはそれなりにインパクトが強くて、特にスカイ・ラーセン関連の話はけっこう好きだったのだが、工作員の印象が薄くてストーリーの味わいは特になかった。
『ウォッチドッグス レギオン』は特定の主人公がいない代わりに、プレイヤーの作るデッドセックのチームが主人公とも言えるので、自分だけのチーム作りに情熱を燃やせる人は全然違うゲーム体験ができると思う。
いろいろ述べたが、歩いている人を誰でも仲間にできるというシステムは斬新で、制作側がそこに挑戦したことは評価したい。
字幕の改行位置とバグが難点
変なところで改行される字幕
この作品は日本語字幕の改行位置がおかしい。
同じ字幕の中で変な改行があるのはまだ許せるが、変なところで切れて次の字幕に文章が続いていることが多く非常に読みづらい。
「私たちだってやればできる」で文章が終わったと思いきや次の字幕で「わけではない」と文章が続くような感じ。
おかげで話について行けないときがしばしば。
エラー落ちを始めとするバグ祭り
私、ユービーアイソフトのゲームを発売直後に遊んだのが初めてだったので、知らなかったのです。ユービーアイソフトはバグの多さに定評があるということを。
バグは時間と共に改善されるはずだけど、とりあえず私のバグ体験を記録しておきます。
まず、エラー落ち多発事件。
発売直後の数日間は、メインメニューに戻るたびにアプリケーションエラーが発生した。
ゲーム終了時のエラー落ちならまあ大したことはないけど、一度メインミッション終盤の大事な戦闘中にエラー落ちして、そのときはコントローラーを壁にぶん投げそうになった。
そしてトロフィー要件を満たしてもトロフィーが出ない現象。トロコン自体はさほど難易度が高くないのに、トロフィーが出ないバグのせいで余計な苦労とストレスが。無事にトロコンできたからいいけど…。
セーブデータの破損やゲームが進行不能になるといったバグには幸い遭遇しませんでした。
しばらく経っていろいろ修正されれば快適に遊べると思います。
まとめ
本作はゲームに登場する全ての一般市民が操作キャラになるという斬新さに加え、キャラクターごとのセリフやモーション、それぞれの人間関係や生活がちゃんと用意されていることが圧巻でした。
全員操作できることで逆に物足りないこともありますし、それ以外に目新しい点がないのも事実ですが、今までにない新しい試みは評価したいです。
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