【ウィッチャー3 プレイ日記26】ラドヴィッドを倒し、ディクストラはマクベスになる
PS4版「ウィッチャー3 ワイルドハント」2周目のプレイ日記です。
原作小説を読んでいないと気づかないネタも取り上げています。
- ゲーム「ウィッチャー3」のネタバレ満載です。
- Netflixドラマ、原作小説(日本語未翻訳の英語版も含む)のネタバレも適宜混入されます。
- ゲーム「The Witcher」「ウィッチャー2 王の暗殺者」は未プレイ。あらすじはスパイクチュンソフトのウィッチャー3公式サイトに掲載されている年表を見ました。
今回はラドヴィッド暗殺サイドクエスト「国家の理性」です。
ドタバタの暗殺劇
次のメインクエストを進めてしまうとエンディングまでまっしぐらなので、先にサイドクエスト「国家の理性」でラドヴィッドを暗殺してくることにした。
ゲラルトはノヴィグラドの倉庫に行き、ディクストラ、ザラー、ロッシュと暗殺の最終打ち合わせをする。
フィリパはラドヴィッド暗殺に協力すると言っていたが(詳細:プレイ日記23)、ディクストラはフィリパを仲間に入れず利用だけしたいのだそう。
ゲラルトがフィリパの居場所が分かったふりをしてラドヴィッドを船から指定の場所までおびき出し、ロッシュたちテメリア人ゲリラが奇襲をかける作戦になった。
作戦は全てフクロウに化けたフィリパに盗み聞きされていて、ゲラルトが外に出るとフィリパが即行で話しかけてきた。
そんな簡単にラドヴィッドが信じるとは思えないけど、ラドヴィッドを殺せないのは困るから、とフィリパが指輪をくれる。
指輪はラドヴィッドの父ヴィジミルのもので、フィリパを捕まえた証拠になる。
おかげでゲラルトはラドヴィッドを連れ出すことに成功し、目的の場所に到着する。
が、そこは残虐非道を絵に描いたような男ラドヴィッド。
フィリパの居場所を話したゲラルトは用済みの上、いろいろ知りすぎているのと態度が悪いという理由で、ラドヴィッドは兵士にウィッチャーを殺せと命じる。
そうか、態度が悪かったか。
ゲラルトはラドヴィッドの兵に囲まれて絶体絶命になるが、ロッシュたちが助けてくれる。
テメリア人ゲリラとレダニア兵の大乱闘をかいくぐりラドヴィッドを追うと、フィリパが現れてひと思いにラドヴィッドを殺し、去って行った。
ゲラルトがラドヴィッドを根城から誘い出し、ゲラルトたちが雑兵を相手にしている隙にラドヴィッドを仕留めるという、いいとこ取りをしていったフィリパである。
ディクストラ劇場
計画はめちゃくちゃだったが、無事にラドヴィッドを始末したことを祝うロッシュやザラー。
まだテメリアの解放には遠いし戦争は終わっていないから喜ぶのは早くないか? とゲラルトが話を聞くと、北方諸国はニルフガードと停戦協定を結ぶのだとか。
一部の国はニルフガードの領土になるが、テメリアはラドヴィッドの首と引き替えに自治が認められるらしい。
そこへディクストラが仰々しくやってくる。
ディクストラは「ニルフガードと休戦などしない。俺が統治者としてレダニアを治め、ニルフガードと戦う。ニルフガードに勝ったら北方諸国を統一してテメリアもその一部になる」と、ラドヴィッド暗殺の本当の目的を明かす。
つまり、ディクストラは邪魔なラドヴィッドを消すためにゲラルトやロッシュやザラーを利用しただけでなく、ロッシュたちが目標としているテメリア解放に協力する気ゼロ、ということ。
ディクストラはロッシュやザラーが自分の計画に賛同しないことは想定済みで、ロッシュとザラーを部下で取り囲む。
ウィッチャーは政治に関わらないという認識のディクストラは、ゲラルトにだけ立ち去る時間を与える。
ここでロッシュたちとディクストラを倒すか、立ち去ってロッシュたちを見殺しにするかがエンディングに関わる重要な分岐になるが、当然ディクストラを倒した。
仮にエンディングが関係なかったとしても、ディクストラとロッシュだったら10回中10回はロッシュ側につくよなと思う。
ロッシュはわざわざケィア・モルヘンに来てシリのために戦ってくれたし、さっきもラドヴィッドの兵士に殺されそうになったゲラルトを助けてくれたわけだし。
いくらウィッチャーが政治的には中立でも、ゲラルトが友人の生死に関わる事態に干渉しないとディクストラが考えているのは甘い。
ディクストラはウィッチャー作品でトップレベルに頭の切れる人だと私は思い込んでいるので、ディクストラがフィリパに頼らずラドヴィッドをおびき出せると思っているところとか、ゲラルトが無実の友人を見捨てておとなしく立ち去ると考えているところとかは、ちょっとお粗末なプロットだなと思った。
ディクストラとマクベス
ディクストラが目的を明かすシーンで、ディクストラは次のように話を始める。
これで終わらせることができるなら、今すぐ終わらせるべきではないか
(If it were done when 'tis done, then 'twere well it were done quickly)
この一撃によって、一切合財の決着がつくのだから
(That but this blow might be the be-all and the end-all here)
「ベクマス」の第1幕、第7場の台詞だ
「ベクマス」って明らかにシェイクスピアの『マクベス』だよなと思って原文を調べたら、ディクストラが引用した部分は『マクベス』の第1幕、第7場の冒頭のマクベスのセリフと全く同じだった。
『マクベス』は、スコットランドの武将マクベスが3人の魔女に「お前はいずれ王になる」と言われ、その気になって王を暗殺し、予言どおり王になる、というのが話の一部。
ゲラルトの介入によってディクストラの計画は未遂に終わったが、ディクストラが王を暗殺して国のトップの座につこうとした点はマクベスと一致する。
ついでに、友人を殺そうとした点と最終的に討たれる点もマクベスと一致。
ディクストラはマクベスを演じたかったが演じる機会に恵まれなかったらしい(たぶん見た目が原因だろう…)。そんなディクストラが、自身をマクベスになぞらえてドヤ顔で真の目的を語る姿は見ものだ。
ディクストラが演説する場所が劇場の舞台の上、というのも狙っているとしか思えない(かつてゲラルトがパンツ一丁で役者デビューしたのと同じ場所。詳細:プレイ日記9)。
これでディクストラが森の貴婦人たち(3人の魔女)と関わりがあったらもっとマクベスだったが、さすがにディクストラのためにそこまでの伏線はなかった。
エンディングに与える影響
グッドエンドの条件を満たしている場合、最後にディクストラを倒すか倒さないかはエンディングに関わる重要な分岐だ。
今回はシリをニルフガード皇帝にするべく進めている。
(1周目でもグッドエンドの条件をそろえて「国家の理性」をやって最後の選択肢もさよならディクストラを選んだが、シリをエムヒルと会わせていなかったためにシリはウィッチャーとなった)
なぜゲラルトがラドヴィッド暗殺に協力してディクストラを倒すとシリ女帝エンドにつながるのかというと、ラドヴィッドとディクストラがいなくなることでニルフガードを阻む勢力が北方諸国から消え、ニルフガードが安泰になるから。
一方、ラドヴィッドかディクストラを放置すると、北方諸国が統一されてニルフガードを圧倒し、ニルフガードが不安定になって帝位継承どころではなくなるから。
スケリッジ王の時と同様、クエストをやっている最中はそんな結果になるとは思いもしないが、ゲラルトが何を選ぶかでこんなにも未来が変わるのかと驚くばかりだ。
本日のまとめ
完了したサイドクエスト:
- 国家の理性
ディクストラは残酷非道なラドヴィッドからレダニアの民を救うという愛国心で行動していたので、市民目線で考えるとディクストラが統治者になるのは言うほど悪くないのではと思う。知らんけど。
前の記事:アヴァラックはシリをどう思っているのか
その他:ウィッチャー記事一覧
「ウィッチャー3 プレイ日記」一覧
- オープニング~イェネファーに会うまで
- エムヒル謁見が険悪ムードな理由
- 裸足で洞窟探索するキーラ・メッツ
- 大きな悪と小さな悪@男爵お家騒動
- 永遠の炎教会、トリス、ダンディリオン
- 彼女いるなら先に言ってくれ
- ディクストラとの再会はバスタオル
- ラドヴィッド王に電撃謁見
- パンツ一丁のゲラルトを舞台に立たせた
- スケリッジの設定・魅力、ユニコーンの出番
- シリの「私は女の人が好きなの」はダウト
- 最後の願い。イェネファーとトリスのどちらを選ぶか
- エムヒル謁見その2、エスケルとランバートの手伝い
- トリスとの関係によって複雑になった会話
- 泥酔ウィッチャー、ウーマの呪いを解く儀式
- スケリッジ王。ヤルマールとセリスのどちらを選ぶか
- スケリッジ王。力尽くで事件解決、脳筋王の擁立へ
- 戦友クエスト。各地の友人とエムヒルに協力要請
- 霧の島に行く前に済ませたサイドクエスト
- 何度見ても感動するゲラルトとシリの再会
- 物語の山場。ケィア・モルヘンの戦い
- シリのエムヒル謁見とリベンジの旅
- フィリパとマルガリータを引き入れる
- イェネファーとトリスにフラれ、船は元カノ率60%に
- アヴァラックはシリをどう思っているのか
- ラドヴィッドを倒し、ディクストラはマクベスになる
- 大事なことを言わないシリ。本編エンディング