【ウィッチャー】S1パロディ予告動画Honest Trailersの感想と解説
ヴェセミルの配役が発表され、ますますウィッチャーのシーズン2が楽しみな今日この頃。
(「【ウィッチャー】シーズン2の新キャスト・続投キャスト情報。ランバート、エスケル登場」にヴェセミル役がキム・ボドゥニアに決定したことを追記。大した情報は書いていませんが)
そんな折、かねてから密かに気に入っていたHonest Trailersにウィッチャーのシーズン1がアップされた。
本記事は、英語動画「Honest Trailers | The Witcher」の紹介・感想・解説が中心となっている。
Honest Trailersとは
Honest TrailersはScreen Junkies(Fandomが運営)がYouTubeで公開している映画予告パロディ動画のシリーズ。予告編パロディと言いつつネタバレ全開なので、基本的には作品を見た後に見る動画である。
インパクトやかっこよさ重視で編集された公式の予告編とは異なり、Honest Trailersは作品の特徴、突っ込みどころ、印象的な点を余すところなく取り上げ、秀逸な編集と的確なナレーションで作品の真の魅力を伝えてくれる。
動画数は300を超えるので、話題になった映画はたいてい「Honest Trailers」で見つかる。
作品一覧:List of Honest Trailers(Fandom)
映画の他にドラマやゲームバージョンもある。個人的おすすめはFF7と『レ・ミゼラブル』(この2つはニコニコ動画で「正直なトレーラー」と検索するとイケてる日本語字幕つきで見られる)。
「Honest Trailers」は英語のスピードが速く、言葉遊びも多い上、アメリカで育っていないと分からないようなネタが盛り込まれているため、1回見たくらいではあまり内容を理解できない。
かといって普段はしっかり理解しようとまでは思わないのだが、ウィッチャー回だけは可能な限り単語や元ネタの意味を調べることにした。
思わず「へえ~」となるような事もあったので、「Honest Trailers | The Witcher」を見ながら私が調べたことを、動画の流れに沿ってまとめていく。
※取り上げていないシーンもあります。
YouTubeサイト:Honest Trailers | The Witcher
冒頭 ~ 0:25
みんなが読もう読もうと思っている小説が原作。
ゲーム化もされたがまだクリアしていない人が多数。
次のゲームオブスローンズと期待されたシリーズとなったが、
どっちかっていうと"XENA: WARRIOR PRINCESS"みたいだった。
ゲーム化もされたがまだクリアしていない人が多数。
次のゲームオブスローンズと期待されたシリーズとなったが、
どっちかっていうと"XENA: WARRIOR PRINCESS"みたいだった。
ウィッチャーの原作小説は1冊あたり400ページ前後あること、ゲームはクリアまでに100時間以上かかることを遠回しに表現している。
ゲームはやり込もうと思ったら200時間じゃ足りないし、あらゆるイベントの分岐を見ようと思ったら何周やればいいのか。
「XENA: WARRIOR PRINCESS」は、1995~2001年にアメリカで放送された古代ギリシャが舞台のテレビドラマ。邦題は「ジーナ」だが日本では未放送らしい。
0:26 ~ 1:38
(ウィッチャーは)Netflix史上、最も視聴された番組だ。というのもNetflixが視聴者数の数え方を変えたからである。
ウィッチャーがNetflixドラマ史上最大のヒットだとか、7,600万世帯が再生したとか言われている理由は、以前は1エピソードにつき7割が再生されたら視聴者数としてカウントされていたものを、2分ほど再生されればOKという方針に変えたからなのだそう。
視聴者が間違えて再生したわけではない、と判断できる基準が2分間らしい。
そうするとウィッチャーの第1話の冒頭(約2分15秒)だけ見て離脱した人も視聴者数に含まれることになる、という指摘もあった。
ウィッチャーがNetflixで一番視聴されたというのは喜ばしいかと思いきや、数分しか視聴していない人もカウントされていると考えると何だかなあと思う。
参考サイト:Netflix changes its view on ‘views,’ which will boost its numbers by 35% (MarketWatch)
(ウィッチャーは)一見複雑に見えるが、簡単に言うと罵詈雑言まみれのポーランド版トールキン的な話だ。
(そしてピー音だらけの罵りシーン集)
(そしてピー音だらけの罵りシーン集)
たしかに「ロード・オブ・ザ・リング」って汚い言葉が使われていなかった気が。覚えていないけど。
高度な訓練を受けた殺戮マシンであるウィッチャーに、どういうわけか世界中のバカがケンカを売る。
(そしてゲラルトから返り討ちに遭う人々のシーン集)
(そしてゲラルトから返り討ちに遭う人々のシーン集)
ゲームでもそうだけど普通の人がウィッチャーに敵うわけないのに、どの町に行っても小悪党がゲラルトにケンカをふっかけてくるんだよね。改めて言語化されると同意しかない。
ゲラルトは話を進めるのに最低限必要な音節を求めて大陸を突き進む。
(からのゲラルトがんーんー言っているシーン集)
(からのゲラルトがんーんー言っているシーン集)
ここめっちゃ笑った。
1:39 ~ 3:30
ゲラルトの運命はスクリーモ式で力を発揮するベビーヨーダ・シリにつながっている。
スクリーモという音楽ジャンルがあることを初めて知った。絶叫して歌うのだと。
ベビーヨーダはディズニーデラックスで配信されているスター・ウォーズのドラマ「マンダロリアン」に登場する赤ちゃんヨーダのこと。ローブ着てフォース使うところがシリに似ているのか?
イェネファーはホグワーツを卒業し国王つきの魔法使いになった後、我が道を歩むようになった。ED治療薬を売ったり。
ゲラルトの金魚のフンはみんなに嫌われている吟遊詩人。
(そしてヤスキエルが痛めつけられるシーン集)
ゲラルトの金魚のフンはみんなに嫌われている吟遊詩人。
(そしてヤスキエルが痛めつけられるシーン集)
ゲラルトは関わりたくないトラブルに完全に関わっていく。
シリはつまんなそうに森を走る。
イェネファーは脱ぐ。
途中で時間軸が変わるが、登場人物の半分は歳をとらないので時間の変化に気づかない。だからかっこいい剣さばきだけ楽しんどけ。
シリはつまんなそうに森を走る。
イェネファーは脱ぐ。
途中で時間軸が変わるが、登場人物の半分は歳をとらないので時間の変化に気づかない。だからかっこいい剣さばきだけ楽しんどけ。
その後、UPNのパロディと思われる編集。
UPNはUnited Paramount Networkの略称で、アメリカで放送事業を行っていたテレビ局のことなので、アメリカ育ちじゃないと分からないであろうネタ。銀魂でCDTV(カウントダウンTV)のパロディやってるような感じだろうか。
3:31 ~ 最後まで
ここからHonest Trailers定番のStarring(出演)に入る。Starringは言葉遊びや他作品ネタが大量に盛り込まれる難関であり、意味が分かれば一番笑えるはずの部分だが、悲しいことに私には何がおかしいか理解できないことが多い。
- Silent but deadly(ゲラルト)
- The Hunchback of Notre Daaaaaamn(イェネファー)
- Hey Ciri(シリ)
- My ballads bring all the coins to the bard(ヤスキエル)
- Blood Sugar Ex Magick(イストレド)
- Baths(入浴)
- Beheadings(首はね)
- Barf(ゲロ)
- Boobs(パイオツ)
- Midsommar(ミッドサマー)
- Whisper Voicessss(ささやき声)
- Talking about coin(コインの話)
- Talking about destiny(運命の話)
- And that song you finally got out of your head(ようやく頭から離れたあの歌)
出演しているのは人間に限らないのがStarringの特徴。
それでは個別に解説してみます。
まずSilent but deadly(ゲラルト)。
「Silent but deadly」強烈なにおいのするすかしっぺを表すスラングらしい。音はしないが殺傷能力の高いことの例えだとか。
次にThe Hunchback of Notre Daaaaaamn(イェネファー)。
元ネタ「The Hunchback of Notre Dame」は「ノートルダムの鐘」の原題。
「Hunchback」は手術前のイェネファーのような、背骨が曲がった状態のこと。辞書には「せむし」と載っていて、私も感想記事でこの単語を使ったけどメディアでは放送禁止用語となっている。
「ノートルダム」の「ダム」がスラングの「Damn」になっているのが笑いどころなのかな。
コメント欄では「これが一番ワロタ」という意見が多数。英語話者じゃないと瞬時に笑うのは難しいと思う。
その次はHey Ciri(シリ)。
もちろん「Hey Siri」のこと。CiriのSiriネタはいろんなところで見る。
続いてMy ballads bring all the coins to the bard(ヤスキエル)。
これは自信ないが、「俺に関するバラードであの吟遊詩人はボロもうけ」ということかなと思った。
ヤスキエルの歌「Toss a Coin to Your Witcher」はゲラルトに関する歌で、その歌によってヤスキエルは利益を得ていると私は解釈した。
そしてBlood Sugar Ex Magick(イストレド)。
Red Hot Chili Peppersの「Blood Sugar Sex Magic」が元ネタと思われる。
「Blood Sugar」自体は血糖値。「Magick」は魔術。あえて訳すなら魔術ぬきの血糖値?
以降は登場人物ではなく、ドラマの特徴を視覚的にまとめたもの。
Baths(入浴) → 入浴シーン集
Beheadings(首はね) → 頭さよならシーン集
Barf(ゲロ) → 嘔吐4人前
Boobs(パイオツ) → 脱いでいるシーン集
ちなみにゲームオブスローンズの動画でもBoobs連呼しているので定番ワード。
Midsommar(ミッドサマー)
映画『ミッドサマー』が元ネタだが、描写が強烈なホラーと聞いてノータッチ。
Whisper Voicessss(ささやき声) → ささやき声の総集編
こうやってささやき声のシーンを連続して見せられると笑える。
Talking about coin(コインの話) → 「コイン」がセリフで使われたシーンまとめ
要するにカネの話。このドラマ、こんなにコインコイン言っていたのか。
Talking about destiny(運命の話) → ウィッチャーのキーワード「destiny」が使われたシーンの畳みかけ
最後の8カット同時デスティニーに爆笑。
And that song you finally got out of your head(ようやく頭から離れたあの歌) → ヤスキエルの歌のシーン
そして「 ... and it's back(また戻ってきた)」とつながる。
最後、The Hair Witch Project。
真のタイトルとして、毎回その作品のHonest Trailers版タイトルが最後に登場する。
例えば『ジョーカー』は「Dance Dance Revolution」、『アナと雪の女王2』は「Rise of Icewalker(スターウォーズのエピソード9、The Rise of SkywalkerにIceを混ぜた物)」。
レベルが高すぎてほとんどの場合、意味が分からない。
「The Hair Witch Project」は映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が元ネタかと思ったが、「The Worst Witch」(日本では「ミルドレッドの魔女学校」)という、魔女学校を舞台にしたテレビシリーズのシーズン3に「The Hair Witch Project」というエピソードがあるようだ。知らんがな。
Honest Trailersのコメンタリー版もあった
Screen Junkiesの動画の一覧を改めて見たら「Honest Trailers Commentary | The Witcher」という動画もあることを知った。Honest Trailersのコメンタリーは見たことないので、これから見てみます。
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