2019年に映画館で見た映画の感想。意外と良かったのはシティーハンター
2019年に映画館で見た映画を振り返ります。基本的にネタバレなし。
本数は合計23本で、「趣味は映画鑑賞です」と自称していいのか迷う量。
2019年に映画館で見た映画一覧
- 女王陛下のお気に入り
- 翔んで埼玉
- グリーンブック
- アリータ: バトル・エンジェル
- ブラック・クランズマン
- キャプテン・マーベル
- バイス
- アベンジャーズ/エンドゲーム
- ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
- キングダム
- スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
- アルキメデスの大戦
- 天気の子
- ワイルド・スピード/スーパーコンボ
- ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
- ロケットマン
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
- 記憶にございません!
- アド・アストラ
- ジョーカー
- アナと雪の女王2
- ターミネーター:ニュー・フェイト
- シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(吹替)
洋画はシティーハンター以外は字幕で鑑賞。
見終わって「これは良かったな」と思った映画はグリーンブック、アド・アストラ、ロケットマン、ジョーカー。
夢中になって最後まで見た、という意味で一番よかったのはシティーハンターだった。
各映画の簡単な感想
女王陛下のお気に入り
イギリスのアン女王の治世で、女王の友人かつ側近サラと没落貴族の娘アビゲイルが、アン女王の寵愛をめぐって陰湿な戦いを繰り広げる話。ジャンルは歴史コメディ。主役3人が皆ゲロインとなる。
きらびやかで華やかな見た目とは裏腹に、ダークでドロドロしてほのかにコミカルなのがけっこう好きだった。
翔んで埼玉
埼玉と千葉が東京と神奈川にディスられまくるお笑い映画。最後は失速した気がするが、それまでは楽しかった。
埼玉デュークは「セフィロスか」と思いながら見ていた。
グリーンブック
イタリア系用心棒トニーと天才黒人ピアニストのドクター・シャーリーによるロードムービー。人種差別という重いテーマがあるにもかかわらず、笑いあり感動ありで心温まる話だった。
よかったところはたくさんあるが、個人的に圧倒されたのはトニーのコミュ力の高さ。
教養に天と地ほどの差があるシャーリーとも会話を続けられるし、シャーリーが気にくわなくてもおりあえず絡みまくるし、度重なるトラブルもでまかせで打開するし、感服に値する。
アリータ: バトル・エンジェル
日本の漫画『銃夢』を原作としたSFアクション映画。ロボット技師のイドに鉄クズの山で見つけられたサイボーグの少女アリータが、恋に戦いに奮闘していく話。アリータの不自然に大きな目のせいで見るのを敬遠していたが、いざ見てみるとあの大きな目はアリータが人間ではないと視聴者に認識させる唯一の手段だなと思った。あの目じゃないとアリータは人間と区別がつかない。
人間でもロボットでもないと同時に人間でもロボットでもあるアリータだが、人間の心とロボットの体で悩んだりは特にせず、好きな人のために突き進むし、戦いたいという本能もあっさり受け入れる。清々しいアクション映画だった。
ブラック・クランズマン
1972年のアメリカで、コロラドスプリングス警察署で初めて黒人警官となったロンが白人至上主義団体KKKに潜入捜査する話。人種差別を多く含む社会派映画でありながら、笑える要素を盛り込んで見やすい作品になっていた。
この映画も主人公のコミュ力が高い。そしてアダム・ドライバーはいつ見ても顔力が高い。
キャプテン・マーベル
キャプテン・マーベルことキャロルが記憶を取り戻して力を手に入れ我が身ひとつで宇宙を飛び回ったり戦闘機をぶっ飛ばしたりする話。「絶対に次のアベンジャーズ(エンドゲーム)にキャプテン・マーベル出てくるから見といたほうがいいよな」という半ば義務感で見た。
この映画を見てよかったと思ったのは、いつも行く美容院で10歳以上年下のアシスタントと話さねばならなくなって「どうしよう、天気のことしか話せる自信がない」とおののいていたら相手が「この前の週末は友達と映画を見に行ったんですよ。キャプテン・マーベルって映画なんですけど」と言ってくれて会話がはずんだ時。
バイス
ジョージ・W・ブッシュ大統領のもとで副大統領を勤めたディック・チェイニーがどのように成り上がり、どのように権力を握り、世界にどんな影響を与えたか、を描いたポリティカルコメディー。シェイクスピアモードとかシャレたふざけた演出が入って面白いところはあったが、勉強が足りないため話が難しかった。
アベンジャーズ/エンドゲーム
アベンジャーズシリーズの完結編。マーベル作品はそこまで熱心に見ていないので「ああ終わったんだ」くらいしか思わなかったけど、過去の関連作品をちゃんと覚えているとぐんと面白いのだろうな。
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
怪獣と怪獣がずっと戦っている大迫力映画。ゴジラもキングギドラもモスラも詳しく知らないけど映画館で見てよかった。渡辺謙シブくてかっこいいな~とか、チャールズ・ダンスの存在感はさすがだな~とか、あの女の子どこかで見たことあると思ったらストレンジャー・シングスの子か~とか、語彙力が急低下した。
キングダム
漫画原作をずっと読んでいるので見てきたが、私の中の評価はすこぶる低い。普段、上映中にスマホをいじる輩が目に入るとイラッとするのに、この時は「このテンポの悪さじゃしゃーないよな」と平静でいられた。
>>映画キングダムにはスピード感が足りない。原作好きの感想
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
前作のホームカミングを見ないまま『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を見たことを友人に話したら、「なんてこと! それじゃトニー・スタークとピーター・パーカーの会話シーンがいかに感動的か分からないじゃん!」と責め立てられた思い出がある(その後、ファー・フロム・ホームを見に行く前にホームカミングを鑑賞した)。ファー・フロム・ホームではヴェネチア、プラハ、ロンドンなどが舞台なので、ヨーロッパ旅行気分を味わえて楽しかった。
敵がVR技術を駆使した戦いを仕掛けてくるのも面白い。
何が本物なのか? というテーマがエンドクレジット後の映像まで一貫していたのが印象的。
アルキメデスの大戦
天才数学者が限られた時間で戦艦の予算の不正を暴く話。2019年に見た(数少ない)邦画の中ではベスト。原作は三田紀房さんの漫画。『インベスターZ』が面白かったので、同じ原作者の話ならと見てきた。
冒頭から戦艦大和が登場してアレして、それが最後にジワリと効く構成が面白い。
天才が国のために知性フル稼働させて打開をはかるところは『イミテーション・ゲーム』に似てる。
天気の子
新海誠監督の『言の葉の庭』も『君の名は。』もあまり好きではなく、今回もきっと合わないだろうなと思ったら案の定だった。その超個人的な理由をひとつ挙げると、新宿はかつての職場なので、本物そっくりに再現された新宿をアニメでわざわざ見なきゃいけないというのが苦痛なのである。
あと今回はキャラクターの掘り下げが劇中で少なくて、「これ帆高と『君の名は。』の瀧くんを入れ替えても話が成立しない?」と思った。小説だとしっかり登場人物について説明されているみたいだけど。
ワイルド・スピード/スーパーコンボ
ワイスピは1作目だけDVDで見た覚えがあるというレベルだが、このスーパーコンボには『ゲーム・オブ・スローンズ』のネタがあると聞いて映画館まで行った。なんて単純な動機。でも、過去作品を見ていなくても問題なく楽しめる脳筋映画だった。
ワイスピって車がレースするだけの話かと思ってたら違うんだね。
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
ドラクエ5をスーパーファミコンで遊んだ時、私はたぶん小学校低学年だった。ビアンカを選ぶかフローラを選ぶかは、攻略本を見て「イオナズンを覚えるフローラにしよ」と1秒で決めた。子供とは時に残酷である。
このように私は「フローラにしときゃいいじゃん」という外道な立場にいるため、ビアンカフローラ論争には全く興味がない。
映画では主人公が結婚相手にビアンカを選ぶかフローラを選ぶかのシーンが長く、結婚関係が全体の3分の1近くを占めるので比較的退屈だった。
でも、プロポーズ関係は脚本を厚めにという堀井雄二さんの希望があったなら仕方ない。
以下、ちょっとネタバレします。
私は賛否両論ある結末に関しては肯定派だ。
映画版が完全にゲームシナリオに沿っている必要はないし、ゲームの追体験をしたいならゲームをもう1回やるか実況動画を見ればいいのでは、というのが私の意見。
それにドラクエ5の世界に入り込めるVRゲームがあるなんて最高。あったら絶対やるもの。
奇遇にもちょっと前にPS4「ダンガンロンパV3」で似たようなメタフィクション展開を体験したので、ドラクエの当該シーンではひとりでずっとニヤニヤしていた。
ロケットマン
エルトン・ジョンの半生を描いた映画。曲の背景や歌詞の意味を予習したおかげで、エルトンの心情を味わいながら鑑賞することができた。
何も知らずに見たらエルトンとバーニーの共同制作がエルトンの報われない愛情を犠牲にして作られているものだとは気づかないままだったろうな。
個人的にはリチャード・マッデン(GoTのロブ・スターク役)のスコットランド英語が聞けるのがたまらん。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
シャロン・テートとチャールズ・マンソン事件のIF映画。…ということをすっかり忘れて見ていた。
事実ではシャロンはカルト集団に殺されてしまったけど、この映画ではディカプリオ演じるリックとブラッド・ピット演じるクリフによって違う結末が用意されている。
シャロン・テート事件を知らないと終盤の不穏な雰囲気がまったく理解できないし結末もわけ分からないまま終わるが、リックとクリフのコンビを見ているだけでも楽しいし、マーゴット・ロビー演じるシャロンは色気とかわいさが同居した癒やし。
でもタランティーノ映画なのでセリフがやたら長く、たまに飽きる。
同じ時期に配信されたマインドハンターのシーズン2にもマンソンが登場しており、しかも演じている俳優が同じという興味深い現象が起きた。
>>【マインドハンター】シーズン2のマンソン役はタランティーノ映画でも同じ俳優だった
記憶にございません!
総理大臣が記憶喪失になってしまった政治コメディ。セリフ以外にも小道具などさりげないところで笑いをぶち込んでくるところが最高。お医者さんの白衣にペンが7本くらい刺さっているところとか…。あとアメリカ大統領の同時通訳も、そこにも笑い入れるんだ、と楽しんだ。
個人的にはもっと風刺的な政治コメディが見たかったけどね。面白かったけど万人受けする無難なネタに終始していた感じはする。
アド・アストラ
ブラピ演じるロイが宇宙で消息を絶った父親を探しに海王星まで行くSF映画。振り返れば「あのシーンは必要だったのか?」と思うシーンがいくつかあったが、私は結構気に入っている。
親子の再会ものだから感動する話かと思いきや、そう単純ではないというのが良かった。この世には分かり合えない親子だっているのだ。
家族がいなくて孤独だが地球によりどころを求めるロイと、家族がありながら知的生命体の探索に没頭して地球に戻らなかった父親の対比が印象に残っている。
ジョーカー
バットマンの宿敵ジョーカーの誕生を描いた作品。強烈で陰鬱で見ていて辛いシーンが多いので何度も見たいとは思えないけど、何度も見たくなるほどの深みがある映画だった。
舞台は1980年くらいでありながら、社会的弱者の行き場のなさ、経済格差、子供のネグレクト、高齢介護、弱い者を笑いものにするメディア、鬱積した不満の爆発などなど、現代に通ずる要素が盛りだくさん。
監督のトッド・フィリップスが描きたかったのは社会問題で、ジョーカーはその手段に過ぎなかったという話を聞いてなるほどなと思った。
ゴッサムシティの治安の悪さに反比例するウェイン氏の警護のザルさが気になってしょうがなかった。
アナと雪の女王2
最初に言い訳すると、この日の私は映画を見るべきではなかった。クリストフのボヘミアンラプソディ風ミュージックビデオあたりで寝落ち。さらに言い訳をしよう。
途中で寝る=映画がつまらないというわけではない。体調とか疲れとか、いろいろな無自覚の要素によって不本意にもまぶたが開かない状態に陥ることがあるのだ。
だからいつぞや私が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の開始10分で意識不明になったのだって、映画がつまらなかったのではなくて不可抗力だったのです。
話をアナ雪2に戻すと、誰からも文句を言われないような優等生な仕上がりだった。
ターミネーター:ニュー・フェイト
ターミネーター2の続編にあたる映画。この映画のために、まだ見ていなかったターミネーター2、3、4、新起動/ジェニシスを鑑賞。世間の評判どおりターミネーター2の完成度が高すぎる。
サラ・コナーは歳をとってもかっこいいんだなとしみじみ感じた映画だった。
あと人類の敵はいい加減、過去に戻ってターゲットを殺すという計画をやめるべきだと思う。
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
フランスで製作されたシティーハンターの実写映画。私はシティーハンターのことをほとんど知らなかったが、シティーハンターの大ファンである友人と一緒に見たおかげで、「xyz」の意味とかカラスのこととか教えてもらえた。
そしてコメディ映画として大変面白い作品だった。
最初から最後まで詰められるだけ笑いを詰め込んで、魅せるところはかっこよく魅せて、感動させるところは感動させて、それでいて原作のお約束もばっちり盛り込んでいるようで、すばらしいの一言に尽きる。
日本映画ではクレームを恐れて倫理的にやれなさそうなギャグもがっつりやってくれるのがよい。大人向けと割り切っているのが功を奏しているのだろう。
笑った回数は『翔んで埼玉』と『記憶にございません!』の4倍くらい。
ちなみに友人によると、大事なところをカラスで隠しているのは日本上映だけらしい(見た人しか分からんどうでもいい情報)。
2019年に映画館で見た映画の中で最も楽しんだ作品だった。
まとめ
以上、2019年に映画館で見た映画の感想でした。好きなのはグリーンブック、アド・アストラ、ロケットマン、印象に残ったのはジョーカー、人に薦めるならダントツでシティーハンター。
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