【ウィッチャー】S1E5感想。イェネファーとの出会いと最後の願い

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Netflixドラマ『ウィッチャー』シーズン1の第5話まで見た感想を、原作小説との比較を交えながらまとめた。

独立していたゲラルトとイェネファーの話がつながるエピソード。

ゲラルトの3つめの願いが何だったのかはドラマでも明かされず迷宮入りである。


シリ:にせマウスサックと森を出る

冒頭、ドップラーがニルフガードに雇われマウスサックに化ける。

ドップラーというのは目の前の者に姿を変え、記憶や思考も共有することのできるモンスター。本物と偽物を見分けるのは極めて困難と言われている。

原作だとドゥードゥーという名のドップラーが短編「Eternal Flame」で登場するのだが、はて、ドップラーは他者に危害を加えない善良な生き物ではなかったのか。

>>ドゥードゥーの未来は明るいか。ウィッチャー短編小説「Eternal Flame」感想

今回のドップラーはマウスサックをためらいなくプスッ。本物のマウスサックは死んでしまったのか? ドップラーは人を殺せる生き物になったのか? ダブルで驚く私。

偽マウスサックはシリも木の精も難なくだまし、シリをブロキロンの森から連れ出すことに成功。

このままシリをニルフガード兵のもとへ連れて行くのか、それともシリが途中で何かおかしいことに気づくのか、あるいは偽マウスサックが本物のマウスサックに成り代わってマウスサックVersion 2.0としてゲラルトのもとへシリを連れて行くのか???

それにしてもドラマのエイスネはやっぱり小説に比べて優しい。一度森にとどまると決めたシリを易々と返すんだもの。

エイスネも驚きの法には逆らえないという見方もあるが。


イェネファー:子供を持つことへの執念

3話で美しくなる代償として子宮を失ったイェネファー。

美しくなり力を得るという目的を達成した今、子供を持つという夢が大きくなる。「全てが欲しい」とは何とも贅沢だし欲深い。

そしてティサイアへの態度からして慢心している感じがあふれている。でもそれがイェネファー。ザッツ・イェネファー。

そんなイェネファーがどんな願いも叶えてくれるジンを見つけたら、いかなる手段を使ってでも自分のものにしようとするのは当然の成りゆき。

イェネファーとゲラルトが出会う話は原作小説「The Last Wish」が元になっている。

>>イェネファーとの出会い。ウィッチャー短編小説「The Last Wish」

ドラマの流れは原作とほとんど同じ。

原作との目立つ違いはゲラルトがりんごジュースを持っていった時のイェネファーの部屋がすごいことになっていたことと(原作のイェネファーはベッドで寝ていたのに、どうしてドラマはこうなった)、ゲラルトとイェネファーが風呂に入る時イェネファーが透明になっていなかったことくらい。

入浴シーンでお互いの傷を見せ合う様子は、傷だらけの人生を歩んできた2人の出会いを象徴する粋な演出だった。


ゲラルト:ジンに願った3つのこと

ゲラルトとヤスキエルは久しぶりの再会だったらしい。

何ヵ月ぶりなのか、何年ぶりなのか、それくらい思い出してくれと言いたいが、少なくとも前回のシントラの晩餐会からはしばらく経っている模様。

さて、不眠を治すためにジンを探していたゲラルト(原作だとジンを見つけたのは偶然)。

ジンの力が封印されていたのは容器のフタのほうだったため、ジンの主はヤスキエルではなくゲラルトだった、というのが判明するのはゲラルトが嫌味な衛兵に向かって「破裂しちまえ」と言ったら本当に衛兵の頭が爆発してからだ。

その後、ゲラルトはイェネファーを助けるために3つめの願いを言う。

セリフが出てこないのでゲラルトが何を願ったのかは明かされない。これは原作でも同じ。原作者とドラマの製作者以外で答えを知っている人はいないだろう。

ゲラルトの最後の願いを叶えるとジンは去り、ゲラルトとイェネファーが急接近して2人は結ばれる。

急接近が文字どおり急すぎて面食らうが、ジンの力だと思えば何てことない。

ジンが去り、イェネファーが無事で済み、ゲラルトとイェネファーが惹かれ合うという3つを同時に満たすとは、一体どんな高度な願いだろうか。

個人的に考えたり調べたりしたことは原作の感想でいろいろ述べたが、かなり抽象的な言い方だったのではないかとは思う。いつか答えが公式発表されてほしい。

また、原作を読んだ時も感じたことだが、チリーダンがイェネファーに惚れていたことや、ゲラルトが危険を承知でイェネファーを助けに行ったことは、イェネファーの魔法が多少なりとも影響していたのではないかと思っている。


ところでゲラルトの1番目の願いって何だった? と気になったので振り返ってみたら、ヤスキエルに「俺は安らぎが欲しいだけだ!」と怒鳴っていたセリフが願いごと認定されていたようだ。

ヤスキエルが瀕死の重傷を負うシリアスな場面だが、ゲラルトが安らぎを願った直後にヤスキエルが吐血して口がきけなくなる、つまり「ゲラルトの安らぎ=ヤスキエルが黙ること」とジンが判断したと考えると笑える。


今回の好きなシーン

ゲラルトの入浴シーン…ではなく、エイスネがシリに「運命の剣には刃が2つある」と言ったところ。

運命は自分で選べという意味でエイスネは話していたが、原作だと少し違って、運命の剣には刃が2つあり、シリにとってその1つはゲラルトだというふうに使われている。

別にこのセリフが好きというわけではなくて、「運命の剣(Sword of destiny)」と「最後の願い(The last wish)」という、ウィッチャー短編小説のタイトルにあたる言葉を2つとも第5話に盛り込んだ製作者の心意気が気に入っている。


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