【ウィッチャー】S1E3感想。魔法使いの整形が痛すぎる件


Netflixドラマ『ウィッチャー』シーズン1の第3話まで見た感想を、原作小説との比較を交えながらまとめた。

最初は字幕で見たのだが、イェネファーの部分があまりにも理解できなくて吹替に英語字幕をつけて見返した。


ゲラルト:ストリガ退治の話

ゲラルトは原作小説「The Witcher」をベースにした話。

ストリガになったフォルテスト王の娘の呪いを解くところは同じだが、ドラマではストリガの件が単なる内輪もめになっていたりトリスが登場したりと設定が大幅に変わっていた。

>>ウィッチャー短編小説「The Witcher」「A Grain of Truth」感想

小説だと有名な脇役も出てこず地味な話だったが、ドラマ版はゲラルトがコナン君のようにナゾを解明していったり、呪われた王女であるフォルテストの娘をレンフリと重ねる場面があったりして面白みが増した。

呪いを解くカギは雄鳥が3回鳴くこと。つまり夜明けを迎えるまでストリガと戦い続けねばならない。その過酷さも実写だと分かりやすかった。


フォルテストに「いいよなウィッチャーは、(感情がないから)人を愛することがなくて」と言われたあとのゲラルトの何か言いたげな表情。小説だったら「そうか」とあっさり終わりそうなところだ。

人を愛することはゲラルトの大きなテーマの1つになっていくだろうから、伏線にしているのだと思う。

ストリガと戦った後のトリスとの会話でも、ゲラルトは怪物とお金しか関心がないかのように見せつつレンフリや呪いの解けた王女のことを気にしているようだった。ドラマ版のゲラルトは小説版より繊細な印象がある。


トリスは運命に話を持っていって、

I feel something out there waits for you. Something more.
(何かがあなたを待ち受けている気がする。大事なものが)

と発言。

「Something more」は、原作ではシリを指す重みのある言葉なので、唐突に使われたのは意外だった。

レンフリに続き、トリスからシリを示唆するセリフが出てきたことになる。


イェネファー:脅威の肉体改造

舞踏会のシーンで子供の頃のフォルテスト王が登場したので、イェネファーの話はゲラルトパートの30年くらい前だということがさりげなく判明。知ってた。

ゲラルトとシリの時間軸も違う気がする。


イェネファーをエイダーンではなくニルフガードに配属させる魔法協会の会議が字幕ではさっぱり分からなくて。まとめてみた。

魔法協会は各国の内政に干渉するため、それぞれの国王に魔法使いを派遣して動向を監視している。イェネファーは故郷のヴェンガーバーグがあるエイダーンに仕えるはずだったが、ストレゴボルがニルフガードに行かせるべきだと主張。エイダーンとシントラは友好関係にあるが、シントラがエルフを嫌悪しているため、エルフのクオーターであるイェネファーをエイダーンに配属すると政治情勢が不安定になる恐れがある。

以上。

これは字幕に収まる情報量ではない。

吹替だとイストレドがイェネファーを「イェナ」と呼ぶところもしっかり再現されているので、このエピソードは吹替で見るほうがよさそう。

そして第2話で感じたとおり、シントラは違う種族に対する差別意識が根強いようだ。


第3話の見せ場はイェネファーの根性だろう。

痛みに耐え、不妊を受け入れ、理想の美しさを手に入れる。目的のためなら何でもするイェネファーが全面に押し出されて見ごたえがあった。

でも、美しくなる過程が想像していたのと全然違った。

あの世界の魔法使いはみんな魔法で若返りとか増毛とかやっているはず。ちょちょいと魔法を使えばすぐに効果が表れるイメージだった。

そして魔法使いは魔法を使っているうちに生殖機能がダメになるから、魔法使いはみんな子を作れない。小説ではそういう設定だった。

なので、イェネファーがリアルに子宮を取り出して痛々しい肉体改造をする展開は想定外の外だった。しかも麻酔なしとか、どんだけ度胸あるの。

その甲斐あって、イェネファーは見違えるように美しくなった。

化粧の濃さは美しさを強調するため。

以前はあごの形もあって田舎くさく聞こえた英語も、上流階級の人が使うようなきれいな発音に。

それにしても、魔法で雷をビンに入れられるような人たちがどうしてあんな原始的な手術をするのかは理解に苦しむところ。


今回の好きなシーン

イェネファーとイストレッドのファックインザイリュージョン。シュールすぎて笑った。

イストレドと口論になるシーンで「みんなの見てる前で注目され称えられる」のがイェネファーの望みだと指摘されるので、大衆に見つめられて拍手される幻影はイェネファーの理想を具現化したものだったと考えられなくもない。

あと、原作ではイェネファーは変わったプレイが好きだという逸話があるので(ユニコーンとか)、それを掘り下げたのだと思う。

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