【ウィッチャー】S1E2感想。ヤスキエルの名前やイェネファーのこと

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Netflixドラマ『ウィッチャー』シーズン1の第2話まで見た感想を、原作小説との比較を交えながらまとめた。

イェネファーが魔女になる前の話は小説にも出てこないので、まさにNetflixオリジナルの話となっている。

万が一この記事をご覧になっている方の中に、ウィッチャーはゲームも小説も手に取ったことがなく、一切のネタバレをせずにドラマを楽しみたいという方がいたら、当ブログのウィッチャー関連記事は読んではいけないし、ネットで「イェネファー」とググってもいけません。


ゲラルト:フィラヴァンドレルと会う話

ゲラルトのほうは原作小説「The Edge of the World」をベースにした話。

ドラマでは大幅にはしょられていたが、ゲラルトがポサダの農夫から穀物を盗む悪魔を何とかしてくれと依頼を受けて、怪物に石を投げられて、気絶してエルフに拉致されて、エルフの王フィラヴァンドレルに殺されそうになるという大筋は同じ。

>>ダンディリオンとの冒険。ウィッチャー短編小説「The Edge of the World」

ウィッチャーを知っている人にとっての注目点は、ゲラルトと同行する吟遊詩人の名前がダンディリオンではなくヤスキエルになっていることだろう。

2話だと本編では名前が出てこないが、エンドクレジットを見て「ヤスキエルって誰だっけ」となった。

ヤスキエルはポーランド語原作でのダンディリオンの名前。つまりドラマでは原作通りの名前が使われているということになる。

余談。

調べたところ、小説やゲームでダンディリオンに名前が変えられているのは英語版やトルコ語版や日本語版など一部。おそらく英語版をもとに翻訳した国。ヤスキエルでもダンディリオンでもない名前が使われている国もある。

参考サイト:Witcher Wiki「Dandelion」

ドラマでダンディリオンという名前を使わなかった理由は公表されていないが、発音の問題があったという説がある。ゲームだとタンポポと同じ「ダンディライオン」、オーディオブックだと「ダンディリオン」と発音されていて、どちらが正しいのか分からないのだとか。

まあ、「ダンディリオン」も「ヤスキエル」もペンネームみたいなもので、彼の本名は別にあるので個人的にはどっちでもいい。

ヤスキエルがアナ雪のオラフのごとくしゃべりっぱなしなのは通常運転。ゲラルトに「黙れ」って言われるところが見たい。

ヤスキエルの話は終わり。


フィラヴァンドレルが話していた、「浄化」という人間によるエルフの虐殺の件はドラマオリジナル。シリのとこでもエルフの話が出てきたし、エルフとの絡みが多くなるのだろうか。

人間に土地を奪われただけでなく、仲間を殺されもしているので、生き延びたエルフの恨みは相当なものになっていそう。

フィラヴァンドレルがゲラルトを殺さなかったのは、ゲラルトは普通の人間と違ってエルフに危害を加える存在ではないと判断したからだと思われる。トルクの説得も効いたのだろう。


シリ:シントラの難民キャンプ

泥を髪の毛につけてカムフラージュしたりネズミを食べたりと、サバイバルの素質を見せているシリ。

戦争という極限状態の中で、シントラ市民によるキャランセ女王への憎しみ、召使いによる主人への積もり積もった怒りなど、お城にいた時には縁のなかった負の感情をシリが目の当たりにする姿が印象的だった。

あと、一晩面倒を見てくれた家族のところにいた召使いのドワーフに対する態度からして、まだシリは違う種族に対する偏見があるのだなと思った。

あのお母さんも「彼は清潔だから(=彼が持ってる靴をさわっても大丈夫)」とナチュラルに差別発言していたし、シントラ国民全体がそんな感じなのかも。

シリに「リヴィアのゲラルト」の情報を次に与えるのが誰なのか気になる。


シリを助けたダーラというエルフはドラマオリジナル。

シリを追っている羽兜のニルフガード兵は、『ウィッチャー1 エルフの血脈』から始まる長編小説で大活躍する人。


イェネファー:魔女になる前の話

魔女になる前のイェネファーというのは、小説だとゲラルトの見たビジョンに一瞬出てくる程度。背骨の曲がった少女が親に虐待されている姿だった。

イェネファーが自分の見た目や愛されないことにコンプレックスを抱えていた、なんてことは本人の口が裂けても言わないだろう。

ほとんど誰も知らないイェネファーの過去が見られるのは、見るなと言われたものをこっそり見てしまったような感じすらする。

イェネファーが人の心を読んだり操ったりするの、小説だとゲラルトやダンディリオンに思いっきりやっていたけど、ああやって訓練したのね。力をつけるスピードが早すぎるような気がしたが。ホグワーツ涙目。

イストレドは短編小説で登場しているものの、このエピソードからだいぶ後の話。何十年単位で後の話。

>>三角関係の行方。ウィッチャー短編小説「A Shard of Ice」感想

小説を読んだ時、イストレドは弱かった時のイェネファーを知らないから強いイェネファーが好きなんだろうなと思ったので、弱いイェネファーにも優しい今回のイストレドは予想外だった。もっと予想外だったのはイストレドがストレゴボルと通じていたことだけどね! ストレゴボルの出番、ブラビケンで終わりじゃなかった。


イェネファーの本当の父親が半分エルフというのはドラマオリジナルの設定。原作では母親が半分エルフとなっている。

学長のティサイア、訓練でウナギにならなかったサブリナ、フリンギラは長編小説に登場した魔女たちで、早々にドラマに出てきたということは今後活躍が多いのかな。

「4マルク」ってウィッチャーの世界ではいくらくらいなんだろう、と気になって調べてみたけど分からなかった。豚より安いってことがポイントなので深く考えても仕方ないか。

ちなみにこの世界には10種類ほど地域別の通貨がある。この2話でゲラルトがもらった報酬は150「ダカット」だった。


今回の好きなシーン

最後、ヤスキエルがゲラルトとエルフの戦いを歌にして、ゲラルトから「事実と違う。エルフへの敬意は?」と言われ、「敬意じゃ物語は作れない」と返すところ。

吟遊詩人は神話や歴史などを伝承する役割なので、ヤスキエルの歌は人々にとって歴史の教科書やニュースみたいなものだ。

しかし、ヤスキエルが重視しているのは事実よりも人々が聞いて面白いかどうかということが「敬意じゃ物語は作れない」の一言から分かる。なので、歌われるのは事実に基づいたフィクションで、場合によっては固有名詞だけ利用したでっち上げにもなり得る。

事実を判別できるのはネタにされた人だけで、聞き手は歌の内容を信じるだろう。ヤスキエル氏はウィッチャーの世界でフェイクニュースの先駆者になれるかも。

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