【ウィッチャー】S1E1感想。シリ視点のシントラ脱出が新鮮


史上最高に好きだったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』が終わって心にぽっかりギアガの大穴が空いていたので、2019年中にドラマ版『ウィッチャー』の配信が始まって嬉しい限りだ。

とりあえず第1話だけを見た感想を、原作小説との比較を混ぜながらまとめた。

シーズン1を全話見てから感想を書くか迷ったが、小説とドラマでは話の流れが全然違うし、ドラマの予習のために原作を英語で読んで各話の感想をブログに書いてきたようなものなので、ドラマも1話ごとにメモすることにした。

原作の感想はゲーム版や日本語訳された長編小説にもバキバキ踏み込んでいるが、ドラマ各話の感想は先のことには触れない方針。


ゲラルト:ブラビケンの話

1話目はゲラルトとシリの視点で話が進む。

ゲラルトのほうは原作小説「The Lesser Evil」をベースにした話。細かな違いはたくさんあるが、大筋は同じ。

>>ブラビケンの殺し屋の由来。ウィッチャー短編小説「The Lesser Evil」

大きな違いは、小説ではゲラルトとそれなりの絡みがあった市議がまるっきり出てこず、逆に小説では名前しか出てこなかった市議の娘マリルカががっつり登場していたこと。

最後の「二度とブラビケンに来るな」も市議ではなくマリルカのセリフになっていた。

これはきっと、ゲラルトがかつて少女を助けた時に少女から感謝されるどころか怪物を見たような扱いをされた、とローチに語っていたエピソードに重なるようにしたのでしょうね。絵ヅラ的にもおっさんより女の子のほうがいいしね。ドラマの第1話だものね。

でも過去に助けた少女はゲラルトと面識がなかったから仕方ないけど、マリルカはゲラルトと交流があったのにあの反応しちゃうの…? と違和感はあった。

ブラビケン市民に責められるゲラルトを見てマリルカが「みんなやめて! ゲラルトは私を助けてくれたの!」ってフォローしてくれたりするのかなと期待したのだけど、そんな救いのある改変は全然ありませんでしたな。それでこそウィッチャー。


レンフリはイメージどおり。

ゲラルトとレンフリの距離が縮まるのが急だな、という印象はぬぐえないけど、まあ小説ではゲラルトとレンフリはドラマの10倍くらい会話してるので。

レンフリがゲラルトにシリの存在を告げる役割になってたのは驚いた。


ストレゴボルは、わりとゲラルトに敵対するような描き方をされていた。

小説だとゲラルトからレンフリの死体に触るなと言われた時あっさり引き下がったのに、ドラマではネチネチ反論して市民をたきつけてちょっと嫌味なキャラに。

全体的に、どちらかというとレンフリのほうが小さな悪に見える展開だった。

ストレゴボルとレンフリのもめごとの発端は、ストレゴボルが黒太陽の年に生まれたレンフリを邪悪だと決めつけて殺そうとしたこと。

だけど、ストレゴボルはレンフリ以外に対して無害な一方、レンフリは無関係なブラビケン市民を巻きこもうとしたので、客観的に考えるとやっぱりレンフリのほうがまずかったよなと思う。


シリ:ニルフガード軍のシントラ侵攻

ニルフガード軍とシントラ軍が戦うところや、ニルフガード軍がシントラに突入してくるところはドラマオリジナル。

ちなみにニルフガード帝国はウィッチャーの世界で最強の国。シントラもキャランセ女王の治世では強い国だったらしい。

ニルフガード軍のシントラ侵攻は、原作だとダンディリオン(ドラマのヤスキエル)の聞いた話をゲラルトが聞く、というのをゲラルトが回想する、という伝聞に伝聞を重ねた伝聞マトリョーシカだったので、シリの目線でシントラ侵攻が描かれるのはとても生々しく新鮮味があった。

まあ、キャランセ女王の最期は小説のほうが残酷だったけど(それかダンディリオンが盛った)。

小説のシリと違って、ドラマのシリはいきなりおばあさまから世界を救うという超重量級のタスクを課されている。正直何の危機をどう救うのか検討つかないので、シリの話は楽しみ。

マウスサック(ゲーム名=エルミオン)が早々に魔法で大活躍していたのも個人的に燃えた。小説だと魔法使うシーン1回くらいしかなかったから。


ヘンリー・カヴィルのゲラルト

ヘンリー・カヴィルがゲラルトを演じると知った時、スーパーマンのイメージしかなくて「もっと渋い俳優のほうがよさそう」と勝手に思っていた。

しかしインタビューやネットニュースを見て、ヘンリー・カヴィルがウィッチャーの大ファンで、Netflixでドラマ化される話を聞くやいなや脚本が存在しない段階から製作者にゲラルト役をやりたいとアピールして、最終的に200人以上の候補者の中から選ばれたということを知って、それなら期待しなくてはと考えを改めた。

実際にドラマの1話を視聴して、ゲラルトの見た目、しゃべり方、息づかい、所作が小説のイメージにもゲームのイメージにも沿っていて感動を覚えた。


今回の好きなシーン

ゲラルトが愛馬ローチにずっと話しかけていたところ。

他の何よりもイメージどおりすぎる。

次の記事:【ウィッチャー】S1E2感想。ヤスキエルの名前やイェネファーのこと

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