車なし知床観光2泊3日。ツアーと公共交通機関フル活用の旅程
レンタカーがあったほうがいいと言われる北海道旅行。
そんな北海道で、公共交通機関が特に限定されるであろう知床を車なしで旅行してきた。
この記事では、バスとツアーを大活用して楽しんだ2泊3日の知床観光のスケジュールを振り返る。
※バスの時間・料金は2019年6月のものです
1日目:網走から知床(ウトロ)へ移動
知床エアポートライナーを利用
この日は網走を観光していたので、網走駅前のバス停から知床エアポートライナーに乗ってウトロ(知床観光の中心地)に向かった。知床エアポートライナーは女満別空港から網走、斜里を経由してウトロ温泉ターミナルに行くバスだ。
予約不要で便利だが、1日3本しか走っていないのでご利用は計画的に。
時刻表や停車駅は斜里バス株式会社のウェブサイトで確認できる。
料金は網走~ウトロで2,600円。バスに乗るときに整理券を取り、降りるときに現金で代金を払う。
車内の両替機は1,000円札しか使えないので注意。
電車+バスでもウトロに行くことは可能
知床エアポートライナーに乗れなくても、網走駅から電車とバスを使ってウトロに行くことができる。この場合は斜里駅でバスに乗り換えてウトロ温泉ターミナルに向かう。
ただ、網走から乗れる電車の本数は1日4本で、斜里~ウトロのバスも1時間に1本あるかないか。接続も決してよくはなく、斜里で1時間前後バスを待たなくてはいけない。
バスで網走から一気にウトロに行くほうが時間のロスが少なくて済む。
15:17~16:56 網走駅前のバス停からウトロ温泉ターミナルへ
網走駅前からだと、知床エアポートライナーの最終便は15時17分発(夏の場合)。網走観光で使った路線バスの都合で1時間ほど待ち時間が生じたため、駅のそばにあったアルカディアというレストランでコーヒーとデザートをいただいた。
かぼちゃのタルトのクオリティが高くて、普通の食事でも行ってみたくなった。
ちなみに網走駅のそばにカフェはなく、周辺にあるほかの飲食店はすき家とステーキ店くらいだった。
レストランでのんびりしたあと、時間ぴったりに到着したバスに乗ってウトロ温泉ターミナルに向かった。
斜里を出てウトロが近づいたところにオシンコシンの滝があり、右側に座ってがんばれば一瞬だけ見ることができる。
ウトロ散策でオロンコ岩に登る
ウトロに着いたあとは、宿にチェックインをして市内を散策した。
観光船乗り場の先にあるオロンコ岩は頂上に登ることができ、ウトロを一望できるのでおすすめ。ただし階段がきつい。
夕食は波飛沫(なみしぶき)というラーメン屋に行ってきた。息が臭くなってもいっか、と焦がしニンニクの黒ラーメンを堪能。
土日の夜は閉まっているお店が多く、ほかに選択肢が見つからなかったため入ったが、ラーメンはおいしく店員さんも親切でとてもよかった。
ウトロにはセブンイレブンとセイコーマート(北海道のコンビニ)があるので、簡単な買い物なら困ることはない。
なお、キャッシュレス決済が絶望的な道東において、コンビニはICカードで買い物ができる数少ない場所である。
2日目:知床岬クルーズ、知床五湖、ナイトツアー
知床岬クルーズ
10時から3時間に渡る知床岬クルーズに参加した。
知床の大自然を見たり、ヒグマを発見したりと充実したツアーで大満足。
クルーズについては「野生のヒグマ目撃。3時間の知床岬クルーズの見どころ・服装」に詳細をまとめた。
知床五湖散策
午後1時にクルーズが終わり、昼食後にウトロ温泉バスターミナルから路線バスで知床五湖へ向かった。
13時35分のバスには乗れなかったので、やむなく15時10分発のバスを利用。
(8月だと路線バス以外に知床シャトルバスというのが運行して、知床五湖にアクセスしやすくなる)
乗車券はバスターミナルで買うことができ、往復で1,400円。片道25分と思うとなかなかのお値段。
15時35分に知床五湖に到着。帰りのバスは16時40分発(最終便)。
あまり時間がないように感じるが、6月はヒグマ活動期に該当するため、知床五湖のうち自由に歩き回れるのは一湖までの高架木道のみ。
高架木道は往復1.6キロなので1時間あれば戻ってこられる。
高架木道を歩きながら360度に広がる草木、雄大な知床連山、山を美しく映す一湖を見て、きっと人間が開発を進めるまでは北海道全体にこんな光景が広がっていたんだろうなと思いをはせた。
都会に住み慣れていると、あたり一面を自然に囲まれることが滅多にない。知床は都会の生活でよどんだ心を浄化してくれる。
今回は時間が足りなくて一湖しか歩けなかったが、いつか五湖すべてをまわって知床の自然にもっと身を浸したいと思った。
エゾシカがいたよ。
ナイトツアー(夜の動物ウォッチング)
20時からは、知床ネイチャーオフィスの主催する夜の動物ウォッチングという夜間ツアーに参加した。
車の中から夜の動物の姿を懐中電灯で探すのがメインで、発見できた動物はエゾシカとキタキツネ。ヒグマとシマフクロウもターゲットに入っているが、たぶん難易度はめちゃ高いと思われる。
天気がよかったため車の外に出て知床の一面の星空を眺めることもできた。天の川が肉眼で見えたり、双眼鏡で木星をのぞくとそばでほのかに光る衛星まで見えたりと、貴重な体験をした。
動物の生態や、どのように野生動物を守っているのかなどもスタッフさんが丁寧に教えてくれて、とても充実した2時間のツアーだった。
私はVELTRAから申し込んだ。
>>知床・網走の観光&アクティビティ
夜の知床は6月でも「冬か?」と思うくらい空気が冷たく寒かったので、温かい服装で行くことを推奨する。
3日目:始発のバスで知床を出発
この日は12時までに川湯温泉に行きたかったので、9時30分発の知床エアポートライナー(女満別空港行き)に乗ってウトロを出発した。ウトロ~斜里バスターミナルの料金は1,650円。
おまけ:知床の宿は「酋長の家」
父親がアイヌの酋長さんという女将さんがいらっしゃる宿で、中にはアイヌの資料や工芸品がたくさん飾られている。
【公式サイト】温泉民宿 酋長の家
クルーズ船の集合場所に近く、バスターミナルもコンビニも徒歩圏内という抜群の立地だ。
2泊したうちの1泊だけ食事をつけたのだが、ごはんもおかずもどれも大変おいしかった。特にほっけの煮物が美味で絶品で最高。
食事のときにアイヌに関する話をたくさん聞くことができ、特に「日本は人種差別に対する法整備が遅れている。他国では迫害した先住民に対して政府がちゃんと賠償している」という言葉がずしんと心に響いた。
『ゴールデンカムイ』の野田先生が取材に来られたことがあるそうで、サイン色紙も飾ってあった。ファンなら泊まって損はない。
まとめ
公共交通機関とツアーを利用することで、車がなくても知床を観光することができた(冬は要確認)。ただ、路線バスの本数が限られており、知床五湖あたりは車が圧倒的に便利だろうなとは思った。
知床は大自然を見るだけでなく、自然環境や野生動物の保護についても学ぶことができるので、訪れる価値はとても高い。
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