小説『ウィッチャーIV ツバメの塔』のあらすじを時系列でまとめた
PS4のゲーム『ウィッチャー3 ワイルドハント』をプレイし、ゲームの物語が始まる前のゲラルトの活躍をもっと知りたいと思い原作小説を読んだ。
小説第4巻にあたる『ウィッチャーIV ツバメの塔』は600ページを超える大ボリュームの上、登場人物の視点の切り替えと回想がふんだんに盛り込まれた複雑な構成になっている。
この記事では、『ウィッチャーIV ツバメの塔』で起きたことを主要人物ごとにまとめ、ゲーム版と関係のあるところや文中で気になった箇所にも触れていく。
※小説版・ゲーム版ウィッチャーのネタバレを含みます
小説の流れを解体し、シリ・ゲラルト・イェネファーそれぞれの内容を、起きた順にまとめると次のようになる。
死んだと噂されたイェネファーはスケリッジにいた。
ヴィルゲフォルツの隠れ場所をつかみ、クラフに用意してもらった船で向かっていたが、逆にヴィルゲフォルツにつかまる。
ヴィルゲフォルツはイェネファーにシリの居場所を吐かせようとしたが、イェネファーが渡した情報はゲラルトの行方だけだった。
ヴィルゲフォルツの部下シュヒルがゲラルトを追い、リエンスがスケレンとボンハートの追跡をすることになる。
ゲラルト、ダンディリオン、レジス、カヒル、ミルヴァはシリを捜す旅を続けている。
シリの情報を得るためドルイドのもとに向かうことになり、その道中でアングレームという若い女性と会い、自分たちが賞金稼ぎに狙われていることを知る。ヴィルゲフォルツが裏で手を引いていると考えたゲラルトは、カヒルを連れて賞金稼ぎに会いに行く。
そこにシュヒルが現れ、ゲラルトはウィッチャーのメダルを奪われ、カヒルが大けがを負う。退却したふたりはレジスと合流する。
ゲラルトはドルイドの手引きでアヴァラックと会う。シリを捜しても無駄だとアヴァラックに言われるが、ゲラルトは意に介さない。
ダンディリオン、ミルヴァ、アングレームに危険が迫っていることを知ったゲラルトは、トゥサンへ助けに向かう。
ダンディリオンたちを襲っていたのは捜していたドルイドだった。シュヒルもドルイドに襲われており、ゲラルトのメダルはドルイドによってシュヒルもろとも燃やされる。
殺し屋ボンハートによって、シリを除くネズミ団のメンバーが殺される。ボンハートはシリをとらえる。
ニルフガードのエムヒル皇帝は、部下スケレンにシリをつかまえるよう命令する。
スケレンは武装団を集め、シリを追跡中のリエンスを発見。そこにシリを連れたボンハートが現れる。スケレンはエムヒルの命令に背き、シリを殺すためにボンハートを雇ったことが判明する。
武装団の一員がシリの魔力を復活させ、シリは門を飛び越え時間を超えて逃げる。このとき、スケレンがシリの顔に傷をつける。
シリはヴィソゴダに発見される。治療を受け、ツバメの塔の話を聞く。回復したシリはツバメの塔に向かう。
ツバメの塔に向かう途中でリエンスとボンハートら追っ手が現れる。シリはリエンスを撃退し、ボンハートの攻撃をかわしてツバメの塔に入る。
このほかに、フィリパら女魔術師会、ディクストラ、エムヒル、ヴィルゲフォルツの動きが入る。
話の本筋以外にも見どころがたくさんあり、個人的にはダンディリオンがこそこそ自伝を書いているところや、ゲラルトがレジスにかなりの信頼を置いているところや、ゲラルトがニルフガード兵だったカヒルを受け入れていくところが気に入っている。
大切な人というのはシリがネズミ団で恋仲になった、ミスルという女性のこと。ミスルとおそろいでいれたのが赤い薔薇のタトゥーである。
ゲラルトと結ばれたイェネファーは、少し何かを期待しているクラフに「過ぎたことは過ぎたこと」ときっぱり言う。
この傷については、切られたシーン自体は出てこず、あとからその場にいた目撃者の口から語られる。最初は気づかなくて、あとから必死に該当箇所を探した。
シリは13歳くらいでケィアモルヘンに来ているので、15歳でスケリッジにいるのはおかしい。それ以前に文章としておかしい。
調べてみたところ、どうやら英語版が間違っていることが分かった。
情報源が掲示板サイトなので正確なことは分からないが、ポーランド語の原文では「ヤルマールは15歳、シリは12歳にならないくらい」になっているらしい。
英語版はポーランド語版から翻訳されており、その英語版をもとにして日本語版が翻訳されているので、このような不自然なセリフになったと思われる。
【参考】Book spoilers, ciri timeline upto tower of swallows question (reddit)
それでも、ゲームの世界観をさらに深く味わいたい、ゲームで愛着を持ったキャラクターたちの活躍をもっと見たい、という気持ちで何とか読み切ることができた。
ゲームで語られた内容だけでは想像もつかないくらい過酷な人生を歩むシリ。無事にゲラルトとイェネファーに会えるのか、先が気になる。
第5巻『湖の貴婦人』は、Amazonでは7月18日に発売予定となっていた。楽しみに待ちたい。
小説第4巻にあたる『ウィッチャーIV ツバメの塔』は600ページを超える大ボリュームの上、登場人物の視点の切り替えと回想がふんだんに盛り込まれた複雑な構成になっている。
この記事では、『ウィッチャーIV ツバメの塔』で起きたことを主要人物ごとにまとめ、ゲーム版と関係のあるところや文中で気になった箇所にも触れていく。
※小説版・ゲーム版ウィッチャーのネタバレを含みます
『ウィッチャーIV ツバメの塔』のあらすじと時系列まとめ
主要なストーリーはシリ、ゲラルト、イェネファーの動きだ。- シリ:大けがを負って隠者ヴィソゴダに助けられ、何が起きたかを振り返る。回復したシリはツバメの塔へ
- ゲラルト:仲間と共にシリを捜す
- イェネファー:ヴィルゲフォルツにつかまる
小説の流れを解体し、シリ・ゲラルト・イェネファーそれぞれの内容を、起きた順にまとめると次のようになる。
イェネファー
本の終盤に出てきたイェネファーのパートが、時系列的には最初に起きたことに当たる。死んだと噂されたイェネファーはスケリッジにいた。
ヴィルゲフォルツの隠れ場所をつかみ、クラフに用意してもらった船で向かっていたが、逆にヴィルゲフォルツにつかまる。
ヴィルゲフォルツはイェネファーにシリの居場所を吐かせようとしたが、イェネファーが渡した情報はゲラルトの行方だけだった。
ヴィルゲフォルツの部下シュヒルがゲラルトを追い、リエンスがスケレンとボンハートの追跡をすることになる。
ゲラルト
ゲラルトのパートは時間どおりに物語が進むので、そのまま読んでいけばOK。ゲラルト、ダンディリオン、レジス、カヒル、ミルヴァはシリを捜す旅を続けている。
シリの情報を得るためドルイドのもとに向かうことになり、その道中でアングレームという若い女性と会い、自分たちが賞金稼ぎに狙われていることを知る。ヴィルゲフォルツが裏で手を引いていると考えたゲラルトは、カヒルを連れて賞金稼ぎに会いに行く。
そこにシュヒルが現れ、ゲラルトはウィッチャーのメダルを奪われ、カヒルが大けがを負う。退却したふたりはレジスと合流する。
ゲラルトはドルイドの手引きでアヴァラックと会う。シリを捜しても無駄だとアヴァラックに言われるが、ゲラルトは意に介さない。
ダンディリオン、ミルヴァ、アングレームに危険が迫っていることを知ったゲラルトは、トゥサンへ助けに向かう。
ダンディリオンたちを襲っていたのは捜していたドルイドだった。シュヒルもドルイドに襲われており、ゲラルトのメダルはドルイドによってシュヒルもろとも燃やされる。
シリ
シリに何が起きたかは、ほとんどが回想によって語られる。殺し屋ボンハートによって、シリを除くネズミ団のメンバーが殺される。ボンハートはシリをとらえる。
ニルフガードのエムヒル皇帝は、部下スケレンにシリをつかまえるよう命令する。
スケレンは武装団を集め、シリを追跡中のリエンスを発見。そこにシリを連れたボンハートが現れる。スケレンはエムヒルの命令に背き、シリを殺すためにボンハートを雇ったことが判明する。
武装団の一員がシリの魔力を復活させ、シリは門を飛び越え時間を超えて逃げる。このとき、スケレンがシリの顔に傷をつける。
シリはヴィソゴダに発見される。治療を受け、ツバメの塔の話を聞く。回復したシリはツバメの塔に向かう。
ツバメの塔に向かう途中でリエンスとボンハートら追っ手が現れる。シリはリエンスを撃退し、ボンハートの攻撃をかわしてツバメの塔に入る。
このほかに、フィリパら女魔術師会、ディクストラ、エムヒル、ヴィルゲフォルツの動きが入る。
話の本筋以外にも見どころがたくさんあり、個人的にはダンディリオンがこそこそ自伝を書いているところや、ゲラルトがレジスにかなりの信頼を置いているところや、ゲラルトがニルフガード兵だったカヒルを受け入れていくところが気に入っている。
ゲームとの関連エピソード
本作ではゲームでは深く語られなかった背景についても触れられている。シリの赤い薔薇の入れ墨の由来
シリの赤い薔薇の入れ墨について、ゲームでは「大切な人の思い出」くらいの説明だった(詳細:「【ウィッチャー3 プレイ日記11】シリの「私は女の人が好きなの」発言はダウト」)。大切な人というのはシリがネズミ団で恋仲になった、ミスルという女性のこと。ミスルとおそろいでいれたのが赤い薔薇のタトゥーである。
クラフとイェネファーの関係
イェネファーはクラフと恋人関係だった時期がある、と小説で書かれている。ゲラルトと結ばれたイェネファーは、少し何かを期待しているクラフに「過ぎたことは過ぎたこと」ときっぱり言う。
シリの顔の傷
ゲーム版のシリの顔にある、左目から頬にかけての大きな傷跡。これはスケレンがシリの顔を切りつけたためにできた傷である。この傷については、切られたシーン自体は出てこず、あとからその場にいた目撃者の口から語られる。最初は気づかなくて、あとから必死に該当箇所を探した。
英語版の誤訳による不自然な描写
クラフがイェネファーに、ヤルマールとシリが一緒に過ごしていたころの話をしたときに「ヤルマールは十五歳、シリは十五歳にならないころだった」という不自然極まりないセリフが出てくる。シリは13歳くらいでケィアモルヘンに来ているので、15歳でスケリッジにいるのはおかしい。それ以前に文章としておかしい。
調べてみたところ、どうやら英語版が間違っていることが分かった。
情報源が掲示板サイトなので正確なことは分からないが、ポーランド語の原文では「ヤルマールは15歳、シリは12歳にならないくらい」になっているらしい。
英語版はポーランド語版から翻訳されており、その英語版をもとにして日本語版が翻訳されているので、このような不自然なセリフになったと思われる。
【参考】Book spoilers, ciri timeline upto tower of swallows question (reddit)
感想まとめ
『ウィッチャーIV ツバメの塔』は過去と現実が入り組んだ複雑な構成のため、話を追うのが大変だった。それでも、ゲームの世界観をさらに深く味わいたい、ゲームで愛着を持ったキャラクターたちの活躍をもっと見たい、という気持ちで何とか読み切ることができた。
ゲームで語られた内容だけでは想像もつかないくらい過酷な人生を歩むシリ。無事にゲラルトとイェネファーに会えるのか、先が気になる。
第5巻『湖の貴婦人』は、Amazonでは7月18日に発売予定となっていた。楽しみに待ちたい。
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