過去エピソードで振り返るゲーム・オブ・スローンズ最終章1話感想


ゲーム・オブ・スローンズのシーズン8第1話「ウィンターフェル(Winterfell)」の感想を、過去のエピソードの解説を交えながら書いていく。

第1話は過去のエピソードと関係のあるシーンやセリフが盛りだくさんだった。

しかし2年ぶりの続きということで、「この話いつ出てきたっけ?」「この人だれだっけ?」と、思い出せない内容も多かった。

最終章を最大限に楽しめるよう、どのシーンが過去のどのエピソードとつながっているかをまとめた。

※シーズン8のネタバレを含みます



シーズン8第1話の簡単なあらすじ

  • デナーリスとジョンが大軍を率いてウィンターフェルに到着する
  • スターク家の子供たちがそろう
  • サンサや北部の諸侯はデナーリスへの不信感を隠さない
  • サーセイのもとに、ユーロンが傭兵軍団ゴールデンカンパニーを連れてくる
  • サムがジョンに本当の両親を教え、ジョンは鉄の玉座の真の後継者であると話す



再会祭りを過去エピソードで振り返る

スターク家の子供たちが集結

ウィンターフェルに戻ったジョンはまず、ブランと再会する。

ジョンがブランと再会するのはS1-02以来。あのときと同じく、ブランの額にジョンがキスする。最後に会ったときのブランは意識不明だったからか、ブランを見たときのジョンは本当にうれしそうな顔をしていた。

次にジョンはウィアウッドの木の下でアリアと再会する。

ジョンがアリアと再会するのもS1-02以来。あのときと同じく、アリアがジョンに飛びついてハグする。

アリアの剣ニードルはジョンが別れ際にプレゼントしたもの。何回ニードルを使ったのか聞かれたアリアが「1~2回」と答えているが、大ウソですやん。

ジョンが一度死んだことについてアリアの反応が薄いのは、ベリックが光の王の力で蘇ったのを目の前で見たからだろう(S3-05)。

それにしても、スターク兄弟の再会までは長かった。私がDVDで初めてゲーム・オブ・スローンズを見たのは2013年だったので、実に6年の月日。ようやく彼らは会えたんだなあと感慨深かった。


サンサとティリオンの再会

サンサがティリオンと会話するのはS4-02以来。

ふたりはタイウィンの策略で結婚させられていたが、ジョフリーが毒殺されると、サンサはベイリッシュの手引きでキングスランディングから逃げた。そのためティリオンはサンサとジョフリー殺害を共謀したとされ冤罪をこうむる。

ティリオンの中でのサンサは、言葉を適切に選ぶ賢さがありながらも、度重なる不幸に苦しみ涙を流す弱い存在だった。そんなサンサが生き延び、冷静な物言いや分析力を身につけ、洗練された姿に圧倒されるティリオンが印象的なシーンだった。


アリアとハウンドの再会

アリアがハウンドと会うのはS4ー10以来。

ブライエニーに敗れ、瀕死となったハウンドはアリアに自分を殺すようと頼んだが、アリアはそれを無視し、ハウンドの財布を盗んで置き去りにした。


アリアとジェンドリーの再会

アリアがジェンドリーと会うのはS3-06以来。

ふたりはブラザーフッド(旗標なき兄弟団)のもとにいたが、メリサンドルがやってきてロバートの血を引くジェンドリーを連れて行った。

久しぶりにアリアと会ったジェンドリーは、S2-02と同じく、わざと「マイレディ」と言ってアリアをからかっている。


サムがジョラーと再会し、デナーリスと会う

グレイスケール(灰鱗病)で人生終了間近だったジョラーをサムが助けた(S7-02)。

グレイスケールの治療は前代未聞で成否不明、アーチ・メイスターにバレたらやばい、という状況の中、サムがジョラーの治療に踏み切ったのは、ジョラーの父でありナイツ・ウォッチの元総帥であるジオー・モーモントへの恩があったから。

グレイスケールは難病で治すすべもないと言われながら、ど素人のサムが一晩できれいに完治させた点は気にならないでもない。

一方、デナーリスはサムの父親ランディルと弟ディコンをドラカリスして処刑してしまっていた(S7-05)。ランディルとディコンがデナーリスにひざまずくのを拒否し、サーセイへの忠誠を守ったためだ。

サムが帰省したとき、ずっと父親になじられていたから、父親の死に動揺するほど仲が良かったとは思えなかったが…。


ジョンとサムの再会と、ジョンの出生の話

ジョンとサムは、サムがメイスターになるためオールドタウンに行って以来(S5-10)初めて顔を合わせる。

そしてサムはブランの言いつけでジョンに出生の秘密を話す。ウィンターフェル地下墓地のネッドの像の前で。

壁に旅立つジョンにネッドは「次に会うときに母親のことを話す」と約束した(S1-02)。ジョンがネッドに再会することはなく約束は果たされなかったが、サムとの会話がネッドの像の前という演出が凝っている。


ジェイミーとブランの再会

ジェイミーがサーセイと塔の上でいちゃいちゃしているのをブランに目撃され、証拠隠滅のため窓から突き落としたのは衝撃だった(S1-01)。

10歳の無垢な少年になんてことを! しかも1話目から! なんてクソ野郎だ! と当時は思ったものである。

それ以来、ジェイミーがブランの姿を見るのは初めて。ブランを見たときのジェイミーの、信じられなさと罪悪感がにじんだような顔は最高だ。

少し前のシーンでブランがサムに言った「旧友を待ってる」の待ち人とは、どうもジェイミーのことらしい。



スターク家の嫡男が極寒の屋外で一晩中ひとりで突っ立って(突っ座って?)いたのを止める人はいなかったのか、という疑問は置いておく。



調べたこと・気づいたこと・解説

オープニングクレジット一新

シーズン8ではオープニングクレジットの映像が新しくなっている。

途中で現れる3つの絵は順に壁の崩壊、レッドウェディング、デナーリスと3頭のドラゴンを表している。


ジョンとデナーリスの軍がウィンターフェルにやってくるシーン

ジョンとデナーリスの軍がウィンターフェルにやってくる冒頭シーンでは、S1-01でロバート一行がウィンターフェルにやってくるシーンとの類似点が見られる。

  • 小さな子供が高いところから見下ろす(S1-01ではブラン)
  • アリアは他のスターク家のメンバーとは別の場所にいる
  • BGMがほぼ一緒


サンサのそばにいる白髪男性って誰だっけ?

よくサンサのそばにいる人、今回でいうとティリオンがサンサに話しかけたときにそばにいたのは、谷間の諸侯のヨーン・ロイス。初登場はS4-08。

谷間の騎士を束ねており、落とし子の戦いで援軍としてウィンターフェルにやってきた。

ライサ亡き後はロビン・アリンの面倒を見ていたけど、そういえばロビンは元気に暮らしているのだろうか。


まぶたのなくなったエディはエド・シーランが演じていた兵士

ブロンの寝室で娼婦のひとりが話していた赤毛のエディは、S7-01でエド・シーランがカメオ出演していたラニスター軍のこと。

ドラマでの描写はないが、エディはS7-04でデナーリスがラニスター軍を攻撃した現場におり、ドラゴンの炎で顔とまぶたを焼かれたらしい。

【参考】Now We Know What Actually Happened to Ed Sheeran's Character on Game of Thrones (TIME)


ブロンの奪われた城と妻とは

お楽しみの最中のブロンの前に堂々と現れたクァイバーンは、サーセイの要求と報酬の話をする。

ブロンが「城と妻をもらったが奪われた」と言っているが、その背景はこうだ。

ジョフリー殺害の裁判でブロンがティリオンの味方をしないよう、サーセイはブロンに婚約者と城を与えた(S4-07)。

しかし、ジェイミーによってブロンの婚約者は別の男と結婚することになる。ドーンにいるミアセラの救出を手伝えばもっといい条件の城と妻を与えるとジェイミーが約束したものの(S5-02)、話は進展していない。


ブロンが渡されたボウガンで分かるサーセイの趣向

クァイバーンがブロンに渡したボウガンは、S4-10でティリオンがタイウィン殺害に使ったものと同じ。

父親を殺したボウガンでティリオンとジェイミーを殺してほしい、というのがサーセイのリクエスト。

サーセイは「詩的正義(poetic justice)」、つまり因果応報にのっとった復讐がお好きだそうで、たしかにミアセラを殺したエラリアへの報復もそうだった。エラリアを極限まで苦しめるため、エラリア本人をさくっと殺すのではなく、エラリアの娘にミアセラに使ったのと同じ毒を飲ませた(S7-03)。


クァイバーンっていつからいたっけ?

気づいたらサーセイの右腕となっていたクァイバーン。ブロンにチラッと自分のことを話していたので、クァイバーンの経歴を振り返ってみる。

シタデルのメイスターだったが、人体実験をしてメイスターの資格を剥奪される

ハレンホールで負傷していたところをロブに助けられる(S3-01)

ルース・ボルトンの捕虜になっていたジェイミーの右手(切られたて)を治療する

ジェイミーと共にキングスランディングに行き、サーセイに奉仕するようになる

サーセイが女王になると王の手になった

クァイバーンはメイスター・パイセル殺害、人造人間製作(マウンテン)、毒薬製造、対ドラゴン兵器スコーピオンの設計など、地味に幅広い活躍をしている。


ジョンがサンサに嫌われていた話

デナーリスが「サンサに嫌われている」と愚痴ると、ジョンは「俺も子供のころ嫌われてた」とフォローになってないフォローを返す。

S6-04でサンサは、昔ジョンに嫌な態度をとっていたことをあやまっている。キャトリンがジョンに冷たかった影響が大きかったのではないかと思う。

しかしデナーリスさんてば、いきなりよそ者の分際で人の家の上空にドラゴンを飛ばしてそこに住んでいる人を威嚇しておいて、嫌われているも何もないだろう。



感想まとめ

1話目はスターク兄弟の再会を中心に、いろいろな人の再会が目立つエピソードだった。

キャストたちがインタビューで「こんな結末になるとは思わなかった」と言うくらいなので、最終話までどのような展開になっていくのか楽しみにしたい。

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4話>>過去エピソードで振り返るゲーム・オブ・スローンズ最終章4話感想

5話>>過去エピソードで振り返るゲーム・オブ・スローンズ最終章5話感想

6話>>過去エピソードで振り返るゲーム・オブ・スローンズ最終章6話感想①

>>ゲーム・オブ・スローンズ最終話感想。スキル・知性・物語の支配について

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