IELTSリスニングの対策と聞き取りアップの勉強方法
イギリスで2018年10月にIELTSを受け、バンドスコア7.5を取得しました。
各試験を振り返りながら「これは役に立ったな」と思った対策、「これは事前に知っているといいかも」と思った情報をお伝えします。
この記事では8.5を取ったリスニングテストについてまとめました。
点数を上げるために役立ったこと、気をつけたこと、どうやってリスニングの力を上げたか、を紹介します。
放送前に問題に目を通す
英検でも何でもリスニング試験では鉄板の対策がこちら。各設問の放送前には30秒ほど準備の時間があるので、この時間に可能な限り問題文に目を通します。
先に問題を読んでおくことで、放送で答えに該当する部分が流れたときに反応しやすくなります。
パート1を読み終わってまだ余裕があったらパート2~4も読んでおくといいです。
穴埋め問題で「答えかな?」と思った単語は全部メモする
本番のテストで一番役に立った対策がこちら。セクション4などでよく出る穴埋め問題では、放送を聞いていて「答えかな?」と思った単語はすべて問題用紙にメモします。
どうしても1問につき1つの答えをメモしたくなるのですが、そうではなく2~3語くらい書くよう意識するのです。
放送がすべて終わったあとに解答用紙に答えを書き込む時間が10分あるので、そのときにメモしておいた単語のどれを使うか決めます。
判断基準は「答えにあてはまる品詞」と「前後の文脈」です。
どういうプロセスか具体的に説明します。
実際に出たリスニングテストの問題を想像でカバーして作った例です。
In winter, penguins increase their body weight by 3 kg.
Penguins cannot fly because of their heavy ( ).
Penguins cannot fly because of their heavy ( ).
カッコに入れる単語を聞き取るとします。
放送を聞いて答えを決める手順はこうなります。
1.放送を聞いてchubby, weight, bonesが答えっぽかったのでメモした
2.カッコに入るのは名詞なので形容詞のchubbyが消える
3.この1つ前の文にweightという単語が出ているのでbonesを答えにする
2.カッコに入るのは名詞なので形容詞のchubbyが消える
3.この1つ前の文にweightという単語が出ているのでbonesを答えにする
放送前に問題文を読んで「ペンギンは何かが重くて飛べないらしい」と意識しておきます。
この問題の答えには名詞が入りますが、放送を聞く時点で品詞まで考える余裕はないと思うので「重くて飛べない理由になる何か」に該当しそうな単語が聞こえたら片っ端からメモします。
メモをしたのは「chubby(丸々とした)」という形容詞、「weight(体重)」と「bones(骨)」という名詞。
答えを書き写す段階で問題文をよく見て、この問題は回答欄に名詞が入ると確認できたら形容詞の「chubby」を選択肢から外します。
そうすると「weight」と「bones」のどちらかということになります。
どちらを入れても違和感ありませんが、問題文を見てみるとカッコを含む文のひとつ前の文章に「weight」という単語が使われているので「bones」が答えだろう、という結論になります。
この方法は答えに自信があるときは必要ないのですが、そうでないときは自分が書き取った単語が必ずしも正解とは限りません。
いくつか答えの候補を書いておくことで正答率を上げることができます。
また、「答えかな?」レベルの単語を1つ以上メモすると決めておくと集中力が保たれます。
スペルミス・複数形に気をつける
記号選択問題は記号を間違えなければいいのですが、単語を書かないといけない問題では正しいスペリングが要求されます。例えば答えは「ヘリコプター」だと聞き取れても、スペルを「helicopter」と「helicoptor」で迷った場合、間違った「helicoptor」で書いてしまうと無得点になってしまいます。
一般名詞だけでなく地名も出てくるので正確に書けるようにする必要があります。
そして地味に要注意なのが名詞の複数形。
たかが「s」の一文字だろうと、抜けていたら容赦なく点が引かれます。
単数形か複数形かは聞き逃しやすいですが、音声を注意深く聞いたり文脈を見たりして気をつけましょう。
複数形の聞き取り方で参考にした動画はIELTS Lizの「IELTS Listening for Plurals」です。
IELTS Lizは他にもIELTS関係の動画が多くあり、ライティングやスピーキングの対策動画は特におすすめです。
すべて英語なので、リスニングの勉強も兼ねて見るといいと思います。
ウェブサイトにも情報がたくさん載っています。
解答用紙を間違えないように
たしかリスニングとリーディングの解答用紙は同時に配られたと思います。リーディングの解答用紙にリスニングの答えを書かないように注意です。
また、リスニングの答えは忘れずに放送終了後の10分間に記入しましょう(本番のテストで、その時間に答えを書かず解答用紙が白紙のまま回収されたっぽい人がいたので)。
そもそも英語を聞き取る力が足りないと思ったら? 私のリスニング勉強方法を紹介
私のIELTSリスニング8.5というスコアは、英検1級に合格したときの勉強が大きく影響していると思います。使った教材は『CNN ENGLISH EXPRESS』という、アメリカのCNNチャンネルのニュースやインタビューを素材にしたCD付きの月刊学習誌です。
英検対策専用の本ではありませんが、
「音声が簡単に聞こえるようになれば点も取れるはず」
と思い、聞き取りの力を上げるために半年ほど使っていました。
全ての音声に対して英文スクリプトがあり、日本語の対訳も付いています。
【私の勉強方法】
1.付属のCD音源をモバイル端末に移す
2.平日の通勤時間に音声を繰り返し聞く(歩きながら1日20分くらい)
3.家でスクリプトを見ながら音読し、何を言っている理解する
4.再び音声を聞く。余裕があったらシャドーイング(3と4あわせて1日15分くらい)
1.付属のCD音源をモバイル端末に移す
2.平日の通勤時間に音声を繰り返し聞く(歩きながら1日20分くらい)
3.家でスクリプトを見ながら音読し、何を言っている理解する
4.再び音声を聞く。余裕があったらシャドーイング(3と4あわせて1日15分くらい)
ページ数で言うと1日1~2ページです。毎日続けることが大事なので欲張らず。
何をしていいかよく分からなかったら、
とりあえずひとつのニュースを何も見ず10回リピート再生
↓
何を言ってるかテキストでチェック
↓
今度はテキストを見ながら聞く
↓
最後にまた何も見ず聞く
↓
何を言ってるかテキストでチェック
↓
今度はテキストを見ながら聞く
↓
最後にまた何も見ず聞く
と進めてみてください。
最初は難しく感じますが、コツコツ続けるうちにリスニングの力が上がり、だんだんリスニング問題の音声が聞き取りやすくなっていきます。
「リスニングテストの音声スピード、遅っ!」
となればしめたものです。
他に良い点を挙げると、知らない単語がわんさか出てくるのでリーディングの対策にもなりますし、固有名詞の勉強にもなります。
「アンゲラ・マーコー」がメルケル首相のことだと知ったときの衝撃。
私は何か月か続けて音声に慣れたあと、1.1倍速にして聞くようにしました。
『CNN ENGLISH EXPRESS』は月刊誌ですが、1か月ですべて読める量ではなかったので2か月かけて1冊使っていました(それでも全部読んだことない)。
まあこれは8年くらい前の話なので、今は別の勉強方法もあるかもしれません。
でも試験対策本だけでリスニングの力を上げるのは難しいというのが私の意見です。
そもそもネイティブの日常会話はIELTSのリスニングよりはるかにスピードが速くて文法がめちゃくちゃで難しいですし。
リスニングの力がつけば練習問題を何回かやるだけで高いスコアが取れると思います。
まとめ
- 放送前に問題に目を通す
- 穴埋め問題で「答えかな?」と思った単語は全部メモする
- スペルミスに気をつける
- 解答用紙を間違えないようにする
- リスニングを鍛えるなら『CNN ENGLISH EXPRESS』
リスニングは慣れると一番スコアが取りやすい科目です。
大事な単語を聞き取り、惜しいミスをなくせば確実に点数は上がると思います。
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