イギリスの銀行口座開設。駐在妻・駐在夫の住所証明は?
イギリスの銀行口座を開くためには身分証明書のほかに住所証明(proof of address)が必要になります。
住所証明として認められる書類は銀行のウェブサイトやパンフレットで確認できますが、日本人が用意できるのはイギリスの運転免許証、光熱費の請求書、カウンシルタックスの請求書くらいです。
駐在員、あるいは留学生であれば、住所証明がなくても会社や大学が用意してくれるレターで口座開設ができることが多いです。
ですが、働いておらず、学校も行っていない妻や夫はそうもいきません。
私も駐在妻という名のニートだったので住所証明に使える書類は持っていませんでした。
銀行口座の手続きの中でやはり住所証明を要求され、最終的にはイギリスの運転免許証を入手することにしました。
その経緯と、免許証以外にはどのような方法があるのかなどを、銀行で聞いたことを含めて紹介します。
※銀行、さらには銀行の担当者によって言うことが違う可能性があります。
最新情報はお使いの銀行に確認するのが無難です。
ジョイントアカウントでも住所証明が必要
イギリスには夫婦やカップルが共同名義で口座を持てるジョイントアカウントというものがあります。私も夫とジョイントアカウントを開設しました。
口座開設時、私の住所を証明できるものは一切なかったのですが、夫が自分あてのカウンシルタックスの請求書を持っており、それで手続きが終了。
私も住所証明を求められるかとハラハラしていたので、何も聞かれず「よかった~」と安心しました。その時は。
しばらくして口座のデビットカードが家に届きました(普通郵便で)。
しかし。
何事もなく1か月ほど過ごしていたところに銀行から私あての手紙が。
「住所を証明できるものを15日以内に最寄りの支店に出してください。口座を閉じる可能性があります」
やっぱり住所証明いるーー!
ジョイント口座は2人とも住所証明がいります。
なぜ開設時に何も言われなかったのは謎です。イギリスだもの。
住所証明に使える書類が他にないか銀行にたずねたが「ない」と言われる
イギリスの運転免許証も私の名前が入った公的な請求書も持っていなかったので、他に住所証明として認められる書類がないか、銀行に聞きに行くことにしました。私「あの、口座は開いてデビットカードはもう使えてるんですけど、住所証明を持ってこいという手紙が来まして。住所証明になる書類を持ってない場合はどうすれば…」
受付のお姉さん「イギリスの免許証か本人あての公共料金の請求書を出してもらわないとダメです」
粘る私「そうは言っても何もないんですよ。どうにかなりません?」
受付のお姉さん「(追い払いたいのをこらえながら)…担当者を呼ぶので待っててください」
最初は杓子定規に「イギリスの免許証か公的な請求書だけ」と突っぱねられたものの、ゴネたら住所証明の担当者を呼んでくれることになりました。
提案されたのはカウンシルタックスの請求書を夫婦連名にすること
待つこと30分、左耳に赤いペンを引っかけ、右腕に舞妓さんのタトゥーを入れたお兄さんが現れました。この国は銀行員もタトゥーOKなんですね。
お兄さん「住所証明ないと口座を閉じないといけないんですよね~。イギリスの運転免許証は?」
私「ないです」
お兄さん「公共料金の請求書は?」
私「宛名が夫の会社です」
お兄さん「カウンシルタックスは?」
私「宛名が夫です」
お兄さん「じゃあ唯一できそうなのはカウンシルタックスを夫婦連名にしてもらうことですね」
ということで、私が提案された住所証明の解決策はカウンシルタックスを夫婦連名にすることでした。
要するに他に住所証明になる書類はないということですね。
銀行のお兄さんによると、たとえタックスを支払い済みでも、シティカウンシルに「銀行の住所証明に使いたいから連名にして請求書を再発行してほしい」と頼むと請求額ゼロの請求書を送ってくれるそうです。
水道代や電気代の請求書も、業者に頼めば請求書の宛名を変えてくれると聞いたことがあります。自分で光熱費を払っている場合はこちらでもよさそうです。
私は結局、請求書をどうこうする方法は試さず、イギリスの運転免許証を手に入れる道を選びました。
日本の運転免許証があれば書類と手数料でイギリスの運転免許証に切り替えられることをあとで知ったからです。
日本の免許証があるならイギリスの免許証に切り替えるのもアリ
イギリスの運転免許証には以下のようなメリットがあります。- イギリスだけでなくEU域内でも運転できる(EU離脱後はどうなるか不明)
- 銀行以外の住所証明に使える(免許証に住所が入るので)
- パブやスーパーでの年齢確認に使える
- 有効期限が長い(10年!)
- 引っ越して住所が変わってもインターネットで変更手続きできる
- 日本とイギリスの免許証が両方手元に残る
一方、デメリットもあります。
- 書類を運転免許庁に送らないといけない
- 日本大使館まで行かないといけない
- 日本の運転免許証を一時的に手放さないといけない
- 日本の運転免許証が戻ってこないリスクもある(私は戻ってきました)
- 手数料や郵送料で約50ポンドかかる(+交通費など)
- だいたい2~3週間かかる
当然ながら取得までに手間と時間とお金がかかります。
手間とお金はさておき、時間については請求書を連名にするのも1週間くらい必要なのではと思います。
イギリスで運転する可能性がある人には最良の選択肢ですし、ペーパードライバーの人にはその資格が活かせる数少ない機会です(私は後者)。
申請方法は在英国日本国大使館のサイト内「英国運転免許証への切り替え手続き」で確認できます。
また、イギリス免許証取得の手順は別記事「【イギリス免許証切替・前編】全体の流れと日本大使館での手続き」と「【イギリス免許証切替・後編】DVLA申請書の書き方から免許到着まで」にまとめました。
銀行でイギリスの運転免許証を見せて終了
銀行でカウンシルタックスを連名にするという話を聞いたあと、私は運転免許証の切り替え手続きをとりました。動き始めてから20日ほどでイギリスの運転免許証をゲットし、再び銀行へ。
無事に住所の確認を終えることができました。
その間、銀行から「住所証明を出さないと銀行口座を閉めますよ」という催促のレターが届きましたが、間に合ってよかったです。
まとめ
仕事してない、学校も行っていない駐在妻・駐在夫が住所証明を手に入れる場合は、光熱費かカウンシルタックスの請求書に名前を入れてもらう、あるいはイギリスの運転免許証を手に入れる、が可能な手段になります。コストが少ないのは請求書のほうですが、日本の運転免許証が手元にあるならイギリスの運転免許証への切り替えを検討するのもいいと思います。
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